中国の影響力拡大に懸念 米国務長官、アフリカ歴訪へ
米国のティラーソン国務長官が6日から初のアフリカ歴訪を開始する。国務省当局者らは、中国がアフリカの一部の国で、低利の融資などを通じて影響力を増しており、長期的にはアフリカの開発にとって障害となる可能性があると警鐘を鳴らした。
ティラーソン氏は、13日までの歴訪でチャド、ジブチ、エチオピア、ケニア、ナイジェリアを訪問する。
国務省高官は2日の会見で、中国だけでなく、ロシア、北朝鮮、イランが、借り入れ国にとって条件はいいが、内容が疑わしい融資と引き換えに、アフリカ各国からの「貴重な地下資源」の輸入量を増やしていると懸念を表明。現状は、植民地支配後の「アフリカ各国を…債務から解放する」という米国の狙いに反していると、融資を行って相手国の開発を行う中国などを非難した。
ティラーソン氏も2月初め、「中国は、世界で新興市場として台頭し、開発への魅力的な方法を提示しているが、実際は、短期的な利益を与えて、中国への長期的な依存を手に入れることがよくある」と指摘、中国による投資は「略奪目的」であり、欧州による植民地支配を思わせると警告していた。
この国務省高官は、中国からの低利の融資によってアフリカ各国が必要以上の額の債務を負うことになり、経済が歪(ゆが)められているとアフリカ経済への長期的な影響に懸念を表明した。
同高官によると、「アフリカ南部の多くの国々、東と西の一部の国々」の債務は、国内総生産(GDP)に対して50%、場合によっては200%に達し、「そのうちの80~50%は恐らく、中国からの融資だ。これは容認できるものではない」と早期の対応の必要性を訴えた。
(ワシントン・タイムズ特約)