新天皇の国際的視野に注目 米英
天皇陛下御即位 海外メディアの反応
天皇陛下の御退位に伴う御代替わりを、米国でも主要メディアが一斉に報じるなど、注目を集めた。上皇陛下がこれまで国民に寄り添い象徴天皇としての役割を果たしてこられたと指摘。新天皇陛下は、こうした姿勢を受け継ぎつつ、広い国際的な視野に基づき、新たな役割を果たされるとの見通しを伝えた。
ニューヨーク・タイムズ紙は、上皇陛下と上皇后陛下が1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災で被災地を訪問するなど、「特に災害の後、慰めとなる存在だった」と指摘。その上で、天皇陛下について、オックスフォード大で教育を受けたことは、ハーバード大学で学位を取得した雅子皇后陛下と併せ、「視野が狭くなりがちな日本において国際的な視野を象徴することになるだろう」との見方を示した。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙も、上皇陛下と上皇后陛下が数多くの被災地を訪れ、膝をついて被災者に語り掛けられるなど「人間味ある皇室を目指した」と指摘。天皇陛下は、所得格差や世界各地の紛争、難民などの問題に懸念を示されるなど、「世界の問題により関心を払う姿勢を示している」として、新たな役割を果たす可能性を示した。
ワシントン・ポスト紙は、天皇陛下がこれまで水問題について研究されてきたことに触れ、「環境や気候変動などの分野で新たな役割を果たすことが期待されている」と伝えた。
また、英BBCのサイトは、即位された天皇陛下を「日本を新時代に導く天皇」と題して取り上げた記事で、オックスフォード大学への留学など学問を追究し、歴代天皇と違ってご両親と同居して育ち、家族との生活も大事に考えられる横顔に触れながら、「日本人は70%以上が令和という新元号を気に入り、新天皇に対して好意的だ」と紹介した。
一方で、小泉内閣時代に女性天皇論議があったことにも触れ、第2次世界大戦後にお生まれになった最初の天皇の新時代には、さらに「変化することを迫られるかもしれない」と述べている。
(ワシントン 山崎洋介)