天皇陛下御即位、両陛下と共に輝く日本創ろう


 天皇陛下が即位され、令和の御代が幕を開けた。

 天皇陛下は二つの即位儀礼に臨まれ、御決意を述べられた。多くの国民の祝福の中で即位され、新しい時代が始まったことは、喜びに堪えない。

二つの儀礼に臨まれる

 昨日、皇居・宮殿で天皇陛下が臨まれたのは、皇位の証しとなる三種の神器の剣と勾玉(まがたま)などを受け継ぐ「剣璽等承継の儀」と国民の代表らに初めてお会いになる「即位後朝見の儀」であった。

 剣璽等承継の儀は、三権の長らが見守る中、剣璽などが運ばれて新天皇の傍らに置かれ、そして剣璽と共に新天皇が退出されるという5分ほどの短い儀式であった。一言の言葉もなかったが、それだけに厳粛で、三種の神器を受け継ぐことの重みを感じさせた。

 二つの儀礼のため赤坂御用地から天皇陛下の御料車が皇居に向かう時、御料車には天皇旗が掲げられていなかった。しかし儀礼を終えられ、赤坂御用地にいったんお帰りなる時、御料車には天皇旗が翻っていた。

 天皇陛下は5月1日の午前0時を期して新天皇に即位されたが、皇居に向かう御料車に天皇旗が掲げられず、儀礼後に掲げられたのは、即位の二つの儀礼、とりわけ三種の神器を受け継ぐ剣璽等承継の儀が、皇位を受け継ぐ践祚(せんそ)の核心であることを具体的に示している。NHKテレビの中継でも、この変化についての指摘はなかったが、伝統の重みを示した重要な変化である。

 皇后陛下と共に臨まれた即位後朝見の儀では、天皇として初めてお言葉を語られ、「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓います」と御決意を述べられた。

 天皇陛下の御幼少時代を知る年配の国民の多くには、戦後生まれの陛下が御位に就かれたお姿を拝し、特別な感慨と喜びがあろう。

 一方、若い世代の人たちは、新しい時代の到来を感じ、陛下と共に時代を切り開いていく意欲を持ったに違いない。

 国民を代表して安倍晋三首相は「天皇陛下を国および国民統合の象徴と仰ぎ、激動する国際情勢の中で、平和で、希望に満ちあふれ、誇りある日本の輝かしい未来、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ時代を、創り上げていく決意であります」と表明した。

 首相の決意表明は、新元号・令和に込められた願いと理想を改めて想起させる。お言葉を語られる天皇陛下のお姿を拝しながら、元号に込められた理想を陛下と共に本当に実現することができる、令和の御代が歴史に残る輝かしい御代となり得る、との気持ちを持った人も多いだろう。

心の絆深める御代を

 確かに安倍首相が述べたように激動する世界情勢は予断を許さないし、皇室も安定的な皇位継承への課題を残す。しかし、新天皇を戴(いただ)き、国民が両陛下との心の絆を深めていけば、必ず輝かしい御代を築くことができると信ずる。