沖縄向け奨学金で人材育成

新閣僚に聞く

江崎鉄磨 沖縄・北方担当相

 江崎鉄磨沖縄・北方担当相は6日、世界日報社を含む報道各社のインタビューに応じ、沖縄振興策や北方領土対策、離島政策などについて語った。 

江崎鉄磨氏

 えさき・てつま 昭和18年、愛知県生まれ。立教大卒。自民党衆院議員。国交副大臣、衆院法務委員長などを歴任。当選6回。

沖縄振興のどこに重点を置いて取り組むか。

 那覇空港の滑走路増設などを通じた観光振興、国際物流拠点の形成、また沖縄独自の給付型奨学金(創設)をはじめとする人材育成に取り組みたい。

沖縄振興費は概算要求ベースで3年連続の減額となったが。

 平成29年度予算額を下回らないとの基本方針の下で積み上げていく。

島尻安伊子氏が大臣の時、子供の貧困対策に10億円が計上され、来年度の概算要求ではさらに増額した。この子供の貧困の現状と取り組みについては。

 沖縄の子供を取り巻く環境は全国と比較して深刻な状況にある。そのため、平成28年度から「沖縄子供の貧困緊急対策事業」として支援が必要な世帯への支援措置をつなぐ支援員の配置、子供が安心して過ごせる居場所の確保を行っており、平成30年度の要求では12億円を計上した。貧困の連鎖を断ち切り、沖縄の自立、発展につなげることができるよう引き続き、県や市町村などとしっかり連携していきたい。

沖縄振興一括交付金の使途に疑問の声もある。

 県の判断に委ねるべきだ。

就任当初、日米地位協定の見直しに言及した。

 内輪の会だったので、気の緩みで申し上げた。不適切だったと重々反省している。言葉足らずだった。

普天間飛行場の移設問題については。

 沖縄県民にとっては、基地負担の軽減に取り組まないと、なかなか感情のもつれが解消されないのではないか。

北方領土問題の解決には何が必要か。

 啓発にもっと力を入れないといけないと思っている。幸い北海道の若い皆さんは北方四島が日本固有の領土であるとの認識を持っているが、全国的には多少風化している。若い方に北方四島が日本の領土だと(教える)啓蒙(けいもう)啓発の取り組みを全国展開したい。

具体的にどういった政策を行うか。

 作文の交換会や弁論大会を主導しながら大いに運動を展開したい。SNS等、若年層を意識した媒体を活用した広報啓発を充実するなど、若者を取り巻く環境の変化を踏まえた包括的な対応に取り組みたい。

中国の海洋進出が進む中、国土を守るために離島政策にどう取り組むか。

 無人の離島には100%名称を付けた。有人の場合は人が定着しないといけない。船賃や航空運賃の補助など、人にとどまってもらう知恵を出さなければならない。水産国でもあるし鮮度の高い水産物を味わうことができるとか観光地化により、本州との人の往来が離島の活性化につながる。そういったPR活動をしていく時が来たなと思っている。