拉致解決へ方策を
加藤勝信 働き方改革・拉致問題担当相
加藤勝信働き方改革・拉致問題担当相は6日、世界日報社を含む報道各社のインタビューに応じ、「働き方改革」の意義や北朝鮮による拉致問題などについて語った。
働き方改革に当たって企業側への配慮は。

かとう・かつのぶ 昭和30年、岡山県生まれ。東京大経済学部卒。大蔵省を経て衆議院議員、5回当選。自民党総裁特別補佐、内閣官房副長官、前内閣で1億総活躍・女性活躍・拉致問題担当大臣。現在、1億総活躍・働き方改革・拉致問題担当大臣。
働き方改革は働き手の視点に立って進めていくが、生産性の向上などを通じて企業側にとってもプラスになっていく。企業の収益の拡大、企業の発展にもつながっていく。
長時間労働をどう是正するか。
現行の労働基準法では「36協定」によって、上限なく時間外労働が認められる状況になっている。大事なことは、労働時間のありよう、すなわち国際比較をした場合の長時間労働は是正されるべきだとの立場に立って議論していかなくてはいけない。
同一労働同一賃金について、経団連は「職務給」が中心の「欧州型」の導入には否定的だが。
ドイツやフランスを見ても、賃金格差について合理的な範囲であれば認められるという判例もある。欧州で積み上げてきた実例や日本の雇用環境を踏まえながら議論を進めていきたい。
同一労働同一賃金は中小企業の経営を圧迫するのではないか。
具体的にはこれから議論してもらうが、中小零細企業における生産性の向上をどういう形で進めていくか、どういう支援が必要かも議論していかなくてはいけない。
北朝鮮とのストックホルム合意が実質的に破綻して拉致問題が暗礁に乗り上げている。被害者家族の高齢化も進んでいるが解決に向けてどのような道筋を描いているか。
残念ながら拉致被害者の方々の帰国はもとより、それに向けての道筋が見えていないことは遺憾だ。ただ、わが国としてはストックホルム合意が破棄されたとの考えはない。
この間、北朝鮮は核開発、弾道ミサイルの発射を繰り返しているが、こうしたことは国連決議などに反しており、わが国の安全にも著しい脅威となっているので断じて容認できない。しっかりと抗議をしながら米国と韓国と緊密に連絡を取りながら対応していかねばならない。
その中で拉致問題については安倍政権の最重要課題だ。もう40年近く経(た)っている人もいる。拉致被害者の帰国を一日千秋の思いで待っている家族の方々の高齢化も進んでいるので一刻の猶予も許されない。なかなか厳しい状況ではあるが、拉致被害者の一日も早い帰国の実現につなげる方策を導き出していけるよう、さらに努力していきたい。
今年に入って特に被害者家族の不安の声が強くなっている。彼らにどういう対応をしていく考えか。
これまでもタイミングをみながら被害者家族の方々には説明を行っている。ただこれまで以上に被害者家族の方々の気持ちに寄り添いながら対応をしていきたい。
2004年に米国人青年が中国で拉致されたのではないかとの報道があり、米政府も調査を始めるようだ。今後、米国と連携した新しい動きはあるか。
報道や米国の上下両院に決議案が出されていることは承知している。ただその部分は米国の話だ。日本側から特段コメントする状況にはない。これまでもそうだが人権にも関わる問題なので国連をはじめとした場で米国や韓国などと連携を図っていきたい。





