前近代の教育が教えること


加藤 隆

正しい姿勢と素読重視

名寄市立大学教授 加藤 隆

 近代国家を目指して日本が邁進(まいしん)していた明治の終わり頃、期せずして、内村鑑三と新渡戸稲造は教育に関して同じ警鐘を発している。

 「近頃、毎日思わせらるる事は、今日の日本に教育らしい教育のないことである。殊に大学の教育と来たならば、それは教育ではない。人格の破壊である。日本に於いては教育は専門家の製造である。人を作ると云う事の如きは、日本の教育者は之を念頭に置かず、又為すこともできない。」(内村)


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