中国、新型の超音速無人機を公開
既に実戦配備か米防空網を突破
無人機の開発を急速に進めている中国軍が、最新兵器の一つ、超音速偵察無人機を公開した。
敵国の防空網を突破するための兵器であり、専門家らは、中国の「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の一環として警戒を呼び掛けている。
中国のソーシャルメディアに、トラックに乗せられ、迷彩のシートに覆われた無人機DR8の画像が掲載された。DR8の写真が公表されるのは初めてで、10月1日の中国共産党創設記念日の軍事パレードのリハーサルで撮影された。
リハーサルの衛星写真からは、DR8以外に、対地ミサイルを発射可能なステルス攻撃無人機「利剣」も確認されている。
軍事アナリストらは、DR8はすでに配備されている可能性があり、対艦弾道ミサイル東風21などを保有する中国のミサイル戦力の要になるとみている。
中国は、周辺海域への米軍などの接近を阻止するためのA2AD兵器の開発を進めている。
中国は、東シナ海、南シナ海の支配を狙っている。この海域で中国との紛争が発生すれば、米軍は複数の空母打撃群を派遣する可能性があり、中国は陸上から遠方の艦艇を攻撃できるミサイルの開発に取り組んでいる。
DR8は、1969年に配備され、71年に退役した米国の超音速無人機D21に似ている。
中国は、米軍の技術を盗み出し、30年にわたって進められてきた軍備増強に生かしてきた。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙によると、DR8は、最大で時速4000㌔で飛行し、米国の防空網を突破することが可能という。
ソーシャルメディアへの投稿や軍事パレードのリハーサルに関する報道では、時速1万1200㌔以上で飛行でき、核弾頭搭載可能な東風17の画像も公開されている。
米国防総省は、極超音速兵器の開発で先行する中国とロシアに追いつくため、極超音速ミサイルの開発を急いでいる。現在の米国の防衛網では、これらの兵器を阻止することは不可能だ。
中国はさらに、新型の大型大陸間弾道ミサイル、東風41をパレードに参加させるとみられている。東風41は複数弾頭を搭載可能だ。
中国は複数弾頭技術の一部を、1990年代後半の米国との宇宙計画での協力を通じて獲得している。当時、米国の宇宙企業は中国に、複数の衛星を放出するランチャーを供給しており、その中には、現在中国が複数弾頭ミサイルに使用している「分離ボルト」が使われていた。
中国軍事問題の専門家で、国際評価戦略センター上級研究員のリック・フィッシャー氏は、この新型無人機はすでに配備されているようだと指摘、「この超音速UAV(無人機)は、中国軍の情報収集・監視・偵察能力を強化し、小型で攻撃回避能力の高い航空機として、人工衛星や地上のレーダー、電子情報収集システムを補完する。米軍は、超音速UAVを配備していない」と述べた。











