トランプ政権、戦場での権限を強化
トランプ政権は、戦場の軍指揮官らの権限を強化する新政策を、就任1年目の重要実績の一つと考えている。米政府高官は「大統領の最大の実績は、軍に戦わせるようにしたことだ」と指摘。「武力の行使には多くの制限があり、さまざまな面で、戦略の実行の障害となっている」と制限の撤廃の必要性を訴えた。
そのため政府は「目的達成のために不必要な戦術的制限を取り払う」(政府高官)ことを決めたという。
この制限の一つの例に、オバマ政権によるシリア領内のヘリコプター数の制限がある。一度に3機とされていた。この制限を取り払うことで、シリア内の特殊部隊は、支援作戦での軍事目的の遂行が迅速にできるようになった。
制限の解除の恩恵を受けたのは、中央軍と特殊作戦軍だ。両者とも、中東、南アジア、北アフリカで過激派組織「イスラム国」(IS)に対して空爆などの攻撃を実施してきた。
中央軍は、中東にある数多くのIS訓練キャンプに対してそれほど激しい攻撃を仕掛けてこなかったと批判されてきた。しかし、この数カ月間、ISのすべての組織に対する航空機と無人機を使った空爆が大幅に増加した。
シリアでのヘリコプターへの制限について政府高官は、「シリアの反政府勢力を支援する一つのチームが空爆チームとして戦闘に加わっていても、他のチームが戦闘に加わる時には国外に出なければならない」と指摘。「このような意味のない制限が現場には数多く存在する」と戦場での制限の撤廃の必要性を訴えた。