社説
トランプ米政権、バノン氏解任後の立て直しを
米国のトランプ政権幹部の辞任・解任が相次いでいる。トランプ大統領の側近中の側近だったバノン大統領首席戦略官・上級顧問の事実上の解任も発表された。今後の政権立て直しは急務となっている。 白人至上主義デモで衝突 バノン…
元徴用工請求権、未来志向に逆行しまいか
戦時中の韓半島出身徴用工が強制的に連行・労働させられたなどとして戦後、日本企業に謝罪や補償を求めてきた問題で、韓国の文在寅大統領は就任100日の記者会見で個人の請求権は消えていないとする考え方を支持した。従来の韓国政府…
米韓演習、北の挑発に万全の備えを
米韓両軍が韓半島有事を想定した定例の合同演習を始めた。北朝鮮は強く反発しており、米領グアム島沖への弾道ミサイル発射など北の挑発行為に対する万全の備えが欠かせない。 核施設への先制攻撃想定 演習は31日まで行われ、米軍…
民進党代表選、「民共路線」に始末をつけよ
民進党の代表選がきょう告示される。二重国籍問題や東京都議選惨敗の責任を取り辞任を表明した蓮舫代表の後任を選ぶ。最大の焦点は、野党第1党として政権批判の受け皿になり得る政策を提示できるかだ。それがなければ、看板を代えても…
水俣条約発効、水銀による被害拡大を防げ
水俣病の原因となった水銀の使用や輸出入を国際的に規制する「水俣条約」が発効した。 多くの被害者を出した水俣病をきっかけに、国内では使用削減の動きが進んだ。だが、途上国では排出が増え続けているのが現状だ。健康被害の拡大…
スペインの凶行、国際連携でテロを封じ込めよ
また、卑劣なテロが欧州で発生した。スペイン東部バルセロナ中心部の繁華街で、車両が群衆に突入して100人以上が死傷した。 車が暴走した「ランブラス通り」は観光のメインスポットだ。被害者の国籍はスペインや近隣諸国など24…
韓国大統領演説、本当に未来志向重視なのか
日本統治からの解放を記念する韓国の光復節行事で文在寅大統領が恒例の演説をし、対日関係について初めて詳細に言及した。未来志向を重視すると語る一方、いわゆる従軍慰安婦や戦時中の韓半島出身徴用工に触れ、未解決の「歴史問題」と…
日米2プラス2、強固な同盟をアピールせよ
日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)がきょう、ワシントンで開催される。 日本側は河野太郎外相と小野寺五典防衛相、米側はティラーソン国務長官とマティス国防長官が出席する。 北朝鮮への対応を協…
4~6月GDP、内需主導をどう定着させるか
2017年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比1・0%増、年率換算では4・0%増と市場の予測を大きく上回る伸びになった。個人消費と設備投資などの内需が成長を牽引、輸出の落ち込みを補い高成長を支えた。 数字を見…
終戦の日、平和を担保したのは抑止力
72回目の終戦の日を迎えた。祖国に殉じ、戦火に倒れた300万同胞の御霊(みたま)に鎮魂の祈りを捧(ささ)げ、尊い殉国と犠牲を無駄にしないことを改めて誓いたい。 空想的な日本国憲法前文 先の大戦は、わが国始まって以来…
ASEAN外交、一層の信頼強化で対中牽制を
東南アジア諸国連合(ASEAN)は今月、設立50年を迎えた。経済成長は著しいが、中国による南シナ海の軍事拠点化という問題に直面している。 日本は設立当初から、ASEANと密接な関係を維持してきた。一層の信頼強化で中国…
米朝の非難応酬、不測の事態への備え怠るな
北朝鮮が米国を射程に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発とこれに搭載できる核弾頭の軽量・小型化に一定のメドを付け、米攻撃能力をアピールしていることをめぐり米国と北朝鮮が非難の応酬をエスカレートさせている。どちらか…
日本ファースト、二大政党制再建する役割を
小池百合子東京都知事に近い衆院議員である若狭勝氏が、政治団体「日本ファーストの会」の設立を発表し、年内の早い段階で新党を結党する意向を表明した。 東京都議会議員選挙での自民党と民進党の敗退、都民ファーストの会の勝利を…
山の日、ルール体得したプロに学べ
きょうは山の日。昨年から施行された国民の祝日で、今年は2回目。 日本の国土は7割が山地で、人々は山を崇(あが)め、そこから恵みを受け、山と共に生きてきた。その歴史を踏まえ、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」…
対米依存のままでいいのか
今年度の防衛白書では、極東アジアの国際社会について的確な情勢判断を行っている。冷戦下で、「中ソ両国の脅威」との表現さえ使用がはばかられたことを想起すれば格段の進歩である。だが、この新情勢にどう対応するかの記述が、これま…
ASEAN、日米と結束し中国に対抗を
東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の外相会議が、日米や中国などの外相も参加してフィリピンで開かれた。 創立50周年を迎える ASEANは今月、創立50周年を迎えた。冷戦時代の1967年にインドネシア、マレーシ…
対北制裁決議で国際社会は足並みそろえよ
国連安全保障理事会は、北朝鮮からの石炭や海産物の輸出を全面禁止し、外貨収入源を大幅に規制する新たな制裁決議を全会一致で採択した。先月の北朝鮮の2度にわたる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を受けての対応だ。 ICB…
18歳成人は本当に必要なのか
上川陽子法相は成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案を秋の臨時国会に提出する考えを表明した。選挙権年齢はすでに18歳以上に下げられており、成人年齢もそれに合わせるためだ。だが、引き下げにはさまざまな問題点が指摘されてい…
原爆の日、核抑止力向上で惨劇を防げ
広島は6日、長崎は9日に72回目の「原爆の日」を迎える。犠牲者に深く静かに鎮魂の祈りを捧(ささ)げたい。 核禁止条約に日本不参加 広島できょう開かれる平和記念式典では、この1年に死亡が確認された5530人の名前を記…
サンマ不漁、資源管理強化を主導せよ
今年のサンマの漁獲量は、過去最低だった前年を下回る見通しだ。中国などの乱獲や水温上昇が影響したという。日本は国際的な資源管理の強化を主導すべきだ。 漁獲枠導入に中国が反対 水産庁は6~7月に行った調査で資源量減少を確…
3次内閣改造、謙虚に結果出し信頼回復を
安倍晋三首相が自身の第3次内閣で3度目の内閣改造と自民党役員人事を行った。内閣では政権の屋台骨である麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官を留任させる一方、外務、総務など重要閣僚や先の通常国会で混乱を招いた法務、文部科…
人民解放軍90年、一層の軍事力強化に警戒を
中国人民解放軍は創設90周年を記念する閲兵式を内モンゴル自治区の演習場で実施した。軍トップの共産党中央軍事委員会主席を務める習近平国家主席は「われわれは世界一流の軍隊になる」と述べた。一層の軍事力強化を打ち出し、米国や…
籠池夫妻逮捕、特捜部は疑惑の徹底究明を
大阪地検特捜部が、学校法人「森友学園」(大阪市)の前理事長の籠池泰典容疑者夫妻を逮捕した。 特捜部は疑惑を徹底究明する必要がある。 国の補助金詐取の容疑 逮捕容疑は、学園が開設を目指した小学校の校舎建設工事をめぐ…