上昇気流 rss

「山は暮れて野は黄昏の芒(すすき)かな」…

 「山は暮れて野は黄昏の芒(すすき)かな」(蕪村)。かつてはどこでも見られたススキだが、今では街中ではほとんど生えていない。秋の空、特に夜の月明かりの中で見る光景は幻想的で、かつ物寂しい風情を感じさせる。  ススキは、稲…

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北朝鮮がまた、日本上空を通過する弾道ミサイル…

 北朝鮮がまた、日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。襟裳岬の東約2200㌔の太平洋上に落下し、飛行距離はグアムを射程に収める約3700㌔。  グアムの米軍基地への攻撃能力を誇示して米国を交渉に引き込もうという狙いだ…

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文芸雑誌「すばる」(10月号)の作家リービ…

 文芸雑誌「すばる」(10月号)の作家リービ英雄氏へのインタビュー(聞き手は文芸評論家の富岡幸一郎氏)の中に「緊張感」という言葉があった。リービ氏は1950年、米カリフォルニア州で生まれた。  87年に日本語で小説を発表…

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ナチスの強制収容所での体験を記した『夜と霧』…

 ナチスの強制収容所での体験を記した『夜と霧』で知られるヴィクトール・フランクルが亡くなって20年。戦後長く住んでいたウィーンの住居は博物館となって、今も訪れる人は絶えないという。  小紙ウィーン特派員の小川敏記者が追慕…

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国連安全保障理事会で、6回目の核実験を…

 国連安全保障理事会で、6回目の核実験を強行した北朝鮮への追加制裁決議が全会一致で採択された。原油や石油精製品の輸出量に上限を設定するなどが主な内容だが、当初米国が提案していた原油の全面禁輸は、中国やロシアの支持が得られ…

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簡単な算数の計算から。100㍍を10秒で走ると…

 簡単な算数の計算から。100㍍を10秒で走ると平均秒速は10㍍である。100/100秒(1秒)で10㍍だから1/100秒(0・01秒)で10㌢進むことに。日本学生対校陸上の男子100㍍決勝。  日本人初の10秒の壁を破…

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「秋灯やなす事ありて文机」(藤田春梢女)…

 「秋灯やなす事ありて文机」(藤田春梢女)。暑い日が続いたと思っていたら、いつの間にか秋の気配が濃厚になっている。セミよりも秋の虫の声が聞こえてくる方が多い。  夜も夏用の寝具で寝ていると寒さで目覚めることも少なくない。…

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財、貨、貢など、お金や財産に関わる漢字には…

 財、貨、貢など、お金や財産に関わる漢字には、貝の付くものが多い。これは、古代中国・殷の時代、子安貝の貝殻が貨幣として用いられていたためだ。子安貝は沖縄やベトナムなどでしか採れず、希少性があり、かつ丈夫で保存性もあった。…

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カマキリを詠んだ句は多い。「蟷螂の咀嚼の…

 カマキリを詠んだ句は多い。「蟷螂の咀嚼のつづく石の上」(鷹羽〈たかは〉狩行〈しゅぎょう〉)。肉食のカマキリが貪欲に餌を食べ続ける様子が活写されている。益虫とされるカマキリだが、この句の「蟷螂」は、日本風に「カマキリ」と…

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親子の不思議で深遠な世界を見いだし、歌に…

 親子の不思議で深遠な世界を見いだし、歌に詠んだのは歌人の中河幹子である。大正時代末に超結社的な歌誌として「日光」が発刊され、北原白秋らによって推進される。中河はその自由な雰囲気の中で「吾児」と題する作品を作った。  「…

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全国各地の風物を取り上げる“旅情ミステリー…

 全国各地の風物を取り上げる“旅情ミステリー”で人気の作家・内田康夫さん。推理の妙もさることながら、ご当地物をアピールすることで、作品の累計発行部数は1億部を超える。  アニメーションを使った観光資源掘り起こしなどを目的…

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6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する…

 6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する新聞論調(4日付朝刊)から。「核実験や北海道越えのIRBM発射で分かったのは、従来の制裁は北の独裁者を翻意させるのに不十分だったということ」(産経主張)。軍事作戦を含め選択肢は限ら…

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アルプス山脈の麓にあるフランス東部シャンベリ…

 アルプス山脈の麓にあるフランス東部シャンベリの駅で、30歳の女性がホームと列車の間に転落し両腕を切断したが、どちらの腕も接合手術に成功したという。  駆け付けた救急隊が切断された両腕を氷で冷やし、滅菌状態にして病院へ運…

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「降り方の台風近きこと確か」(稲畑汀子)…

 「降り方の台風近きこと確か」(稲畑汀子)。このところ突然、「一天にわかにかき曇る」という表現を思わせるような豪雨に襲われることがある。それでカバンに折り畳み傘を忍ばせることにして、幾度か助かったことがある。  豪雨とい…

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寿司ネタとして人気の高いマグロを江戸前の…

 寿司ネタとして人気の高いマグロを江戸前の代表のように思っている人が多い。しかし江戸湾でマグロは捕れず、房総や三浦半島で捕れたものを、悪くならないように醤油に漬けて送った、いわゆる漬けが中心だった。  江戸っ子は淡白な味…

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「そうじゃのう、わしもそう思っとったんじゃ」…

 「そうじゃのう、わしもそう思っとったんじゃ」と、しばしば博士は言う。「博士語」と呼ばれる言葉遣いだ。テレビや映画のナレーション、漫画などで使われる。博士語は「役割語」の一種。役割語とは、大阪大学の金水敏(きんすいさとし…

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「大鯉の深くあぎとふを見たりけり尾を曲げて…

 「大鯉の深くあぎとふを見たりけり尾を曲げてゐるその広桶に」。「鯉売」と題した松村英一の歌で、昭和2年の作。桶(おけ)にコイを入れて街にやって来る情景は戦後、昭和30年代まで見られた。  業者はその場でぶつ切りにしてくれ…

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北朝鮮が日本上空を越える弾道ミサイルを発射…

 北朝鮮が日本上空を越える弾道ミサイルを発射し、菅義偉官房長官は「度を超した挑発行動」と非難した。だが、北朝鮮は着々と核搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めている。「挑発行動」という表現は弱いのではないか。 …

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明日から、関東大震災(大正12=1923年)が…

 明日から、関東大震災(大正12=1923年)が起きた9月1日の「防災の日」を中心に5日までは防災週間。各地の防災訓練では、特に首都直下地震や南海トラフ地震が想定される地域で、関係自治体間の広域的ネットワークを活用した実…

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大気中の二酸化炭素(CО2)濃度が上昇し…

 大気中の二酸化炭素(CО2)濃度が上昇し海洋の酸性化が進んでいる。海洋環境保全のための指標として、サンゴの生態の状況が、よく取り上げられるが、その悪化ぶりは、このところ見るに忍びないほどだ。  小笠原諸島・父島などの造…

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「重さうに持ちにくさうに西瓜提げ」(藤松遊子)…

 「重さうに持ちにくさうに西瓜提げ」(藤松遊子)。季節外れの長雨が続いたと思ったら、一転して蒸し暑さが復活。まさに残暑といった日々である。  そういえば、今夏はスイカをほとんど食べていない。かつて旬のものだった野菜や果物…

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昨日は7回目のプレミアムフライデー。月末の…

 昨日は7回目のプレミアムフライデー。月末の金曜日はいつもより早く退社して、買い物や飲食、宿泊などを楽しもうという日だ。今年2月に鳴り物入りで始まったが、盛り上がりは見られない。  既に忘れられたような雰囲気もあり、中に…

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道を歩くと、セミの死骸が転がっている。…

 道を歩くと、セミの死骸が転がっている。なぜかアブラゼミが多い。太い胴体を持つクマゼミの大きな鳴き声は、聞こえる機会は多いが死骸は少ない。  涼しげで好ましいミンミンゼミの声は、時にクマゼミの声によって遮られてしまう。そ…

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