国連安全保障理事会で、6回目の核実験を…


 国連安全保障理事会で、6回目の核実験を強行した北朝鮮への追加制裁決議が全会一致で採択された。原油や石油精製品の輸出量に上限を設定するなどが主な内容だが、当初米国が提案していた原油の全面禁輸は、中国やロシアの支持が得られず取り下げられた。

 「格段に厳しい制裁決議」と安倍晋三首相は評価するが、北朝鮮がこれで核開発を放棄するとは考えられない。もちろん、それも米国は承知の上だろう。

 「北朝鮮は草の根を食べることになっても体制が安全だと感じられない限り、核プログラムを中断することはないだろう」とロシアのプーチン大統領は語った。その意図はともかく、重要な真実を突いている。北朝鮮の核開発は、体制保障のためだけでなく、韓国への南進武力統一のための重要な布石でもある。

 それでも追加制裁が、核・ミサイル開発へのブレーキになるとの見方もある。問題はその実効性である。当然、北朝鮮はさまざまな抜け穴を利用して石油を手に入れようとするだろう。特にロシアは要注意だ。

 輸出制限などを厳しく監視し、それなりの実効性を確保したとしてもなお問題が残る。石油が少なくなった分、北朝鮮は国民に回す分を減らして核・ミサイル開発を進めるだろう。国民を飢えさせても平気な国だ。

 追加制裁案に対し、北朝鮮は「必ず米国に相応の代価を払わせる」と警告してきた。警戒態勢を強め、あらゆる事態を想定し備えを急ぐべき時だ。