トランプ米大統領の「破天荒な外交」が扉を開いた
歴代政権の「無関心」を批判
トランプ米大統領の破天荒な外交について、意見はさまざまあるが、一つ言えることがあるとすれば、独創的ということだ。北朝鮮を訪問したポンペオ国務長官は、ワシントン・タイムズとのインタビューでトランプ氏について「型破り」と述べた。
かつて「ロケットマン」と呼んだ北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会ったのもトランプ流だ。「大統領は、これらの問題を見て、これまでのやり方をずっと続けても、成功の可能性はほぼゼロだと言った。違う方向から攻めてみたい」とポンペオ氏は語った。
トランプ氏は大阪でのG20サミット後、韓国に向かう予定だった。「平壌から境界線までは遠くない。ひょっとすると金委員長は会いに来る」と言っていたという。
これだけでも十分トランプ流だが、ポンペオ氏によると、トランプ氏はこれだけにとどまらなかった。
6月29日午前7時51分「中国の習近平国家主席との会談など、非常に重要な会合の後、日本をたち、韓国に向かう。そこにいる間に、金委員長がこれを見てくれれば、境界線/DMZ(非武装地帯)で会い、握手をし、あいさつするのだが」とツイートした。
1時間以内に北朝鮮当局者から、「何だこれは。何を考えている」と連絡があったという。
ポンペオ氏は、北朝鮮は「数十年間、過去の政権の重要な課題」だったと指摘。歴代政権の対応を「戦略的無関心」と批判した。
ポンペオ氏は「トランプ氏はまず、2017年のイースターに、当時CIA(中央情報局)長官だった私を送り、金委員長に用意があるかどうかをさせようとした」と、トランプ氏がポンペオ氏に会談の可能性を模索させていたことを明らかにした。
30日午後2時ごろ、トランプ氏、ポンペオ氏らはヘリに乗りDMZに向かった。境界線の監視所で兵士らと話していた時に「金委員長から連絡が入り」、境界線に向かい、会談を行ったという。
ポンペオ氏は、「確信はなかった」ものの、30日の会談で、過去の政権の「戦略的無関心」を打ち破ることができたと指摘。「交渉でリスクは減ると思っている。問題の解決へ北朝鮮と協力しなければ、リスクが蓄積されるだけだ。実際に蓄積されてきた。これを打ち破らなければならない。解決しなければならない」と北朝鮮問題の外交解決へ意欲を示した。
(ワシントン・タイムズ特約)