CIA長官、北朝鮮に「秘密工作」も
米国の最大の脅威は中国
米中央情報局(CIA)のポンペオ長官は、このほど行ったインタビューで、北朝鮮の核ミサイル開発について、外交解決が不調に終わった場合、秘密工作などの情報活動の検討を行っていることを明らかにした。また、長期的に見て米国にとっての最大の安全保障上の脅威は中国だと指摘。一方で、情報活動を強化するために、現地の工作員の権限の強化と、手順の簡素化に取り組んでいるという。ポンペオ長官が1月の就任後、メディアのインタビューを受けるのは初めて。
ポンペオ氏は、CIAが北朝鮮の核の脅威に対応するための新たな部署を設置したことを明らかにするとともに、「外国情報収集、秘密工作、国防総省の戦友の支援など、CIAのすべての活動に目を向けている。大統領が、外交解決が不調に終わったと判断した時、政権のいかなる政策目標でも達成できる選択肢を提供できるよう準備を進めている」と、北朝鮮への情報活動の強化と、「秘密工作」の可能性の検討を進めていることを明らかにした。
北朝鮮の核開発について、重要なのは、北朝鮮のミサイルが米国に到達できるかどうかではなく、いつ、信頼できる核搭載可能な長距離ミサイルを完成させ、配備するかだと主張、「核を搭載したミサイルを発射し、うまくいけば当たるかもしれない。しかし、真の脅威は、北朝鮮の兵器の信頼性が高まり、自国の抑止力に自信を持つようになることだ」と訴えた。
そのうえで北朝鮮のミサイル開発について「発射ごとに、成功してもしなくても、完成に近づいている」と指摘、トランプ大統領が核搭載長距離ミサイル開発阻止を特に重視していることを明らかにした。
一方で、長期的に最も深刻な脅威は、ロシアではなく中国であると強調。その理由として中国の経済基盤が強固であり、軍事力の強化が進んでいることを挙げた。
「南シナ海、東シナ海で起きていることを見ても、世界のその他の地域での中国の活動を見ても分かる」ように、中国は、世界各地に展開する米軍に対抗することを目標に軍事力を強化していると強調、「中長期的に見て、経済、軍事で米国の最大のライバルとなりうる潜在力があると思う」と述べた。
また、オバマ前政権時の改革でCIAの政治化が進んだと指摘、2カ月にわたって見直しを進めてきたことを明らかにした。
ポンペオ氏は、オバマ政権時の改革の結果、CIA内に「無数の階層」ができたとしたうえで、「前線の戦士、スパイらが責務を果たせるよう、これらの官僚組織を打破する」ことを明確にした。






