維新・結いの新党 党名決まらず遅れる恐れも
目下進行中の結の党と日本維新の会の合同話が難航している。野党は政策についてはうるさい。ひとたび議論が始まると尽きるところを知らないほどだ。 本来は両党とも9月上旬の新党結成を目指していたが、このため大幅に遅れるおそれが出てきた。両党の新党の政策について意見がまとまらずそのための遅れなら分からないではないが、党名で揉めているのだから話にならない。およそ合同を議論するなら、党名は一番先にきめておかなくてはならないはずだ。それが今ごろになってああでもない、こうでもないと大マジメに口論を展開している。名前は看板と同じだ。名無しの権兵衛の新党など聞いたためしがない。
政党政治発展のためには各党の離合集散は決して反対されるべきではない。スジさえ通っていれば政治の活発化につながる。その意味で野党同士の結いの党と日本維新の会の合同話は各方面から注視のマトになっていたが、どうもパッとしないスタートになってしまった。
維新の会は「維新」というネーミングがお気に入りだ。合同しても改名する気はない。堂々とこの党名を掲げて前進したい気持ちで一パイだ。それに比べると結いの会は淡泊だ。さすがに両党とも党名でケンカするのは大人気がないと思っているが、勢いというものがある。ひょっとすると両方が腕を捲りかねない。そうなると永田町は騒然となる。せっかくの合同話が分裂話につながってしまう。
それにしても政党のネーミングは難しい。民主党とか自由党とか明治以来の政党名があるが、戦前、戦中、戦後と生き抜いてきただけに何となく懐かしい。しかし古い感じが拭えないのも事実だ。
選挙ともなれば党名がモノをいう。候補者個人より政党名で投票する有権者も少なくない。だから自由党など昔の古い党名にサヨナラができず、いまに至るまでその名をとどめている。もっとも、かつてのように政権を左右した勢いはさすがに薄くなったが、それでも一種の存在感がある。
いや、よく見るとどっちがどっちだか分からない場合も見受けられる。与党と野党が区別がつかなくては有権者が困る。個々の政策で一致することはあっても、天下国家の成り行きについては本来の主張を押し通すだけの根性を望みたい。
与党と野党は立場が違うし、主張や政策を異にする。同じようなことをいっていると、国民は戸惑う。与野党ともに信じる道を国民に明確に説明せよ、判断は国民がする。(I)