コロナ禍のプロ野球キャンプ、無観客で開催
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プロ野球のセパ12球団は春季キャンプを無観客で開催している。
例年、2月は県内外から多くのファンがキャンプ地を訪れ、球場周辺やホテルは大賑(にぎ)わいだが、今年はうってかわって球場には立ち入り禁止の規制線が張られた上に、警備員が巡回し、重々しい雰囲気となっている。
それでも、どうにかして選手の姿を見ようとするファンが、少数ではあるが球場の近くまで足を運んでいる。
球場によっては、敷地に入らなくてもグラウンドが見える「隠れスポット」がある。北谷町の球場外グラウンドでは中日ドラゴンズの投手らがキャッチボールをする姿が見られる。グラウンドは道路に面しているため、至近距離で見ることができる。愛知県から毎年キャンプに通っているという40代の男性は、「沖縄に来ることにためらいはあった」とした上で、「立ち止まって見ていると警備員に注意されるけど、歩きながら見ていれば大丈夫」と嬉しそうに話した。
宜野湾市でキャンプを張る横浜DeNAベイスターズは公園でキャッチボールやランニングをする選手もいる。また、隣接するホテルからは球場が丸見えだ。ホテル関係者によると、「見晴らしの良い場所に連泊する客がいる」という。
ヤクルト・スワローズのキャンプ地、浦添市の運動公園内では公式グッズショップが営業している。球団関係者は「全国各地からファンは来られないが、せめて地元ファンのためにもとオープンしている」と話す。
沖縄県は独自の緊急事態宣言を2月末まで延長。キャンプは最後まで無観客となることが確定した。各球団や放送局が提供するキャンプ配信を見ながら気持ちを高めていきたい。
(T)