北朝鮮、特殊部隊を増強
非対称戦での戦力に
エイブラムズ在韓米軍司令官は、北朝鮮が特殊部隊の拡大を進め、韓国と米国の特殊部隊にとって脅威になっていると指摘した。
エイブラムズ氏は12日、上院軍事委員会で「金正恩(朝鮮労働党委員長)は、特殊部隊の規模と能力の向上に特に注力してきた。訓練に長い時間をかけている」と証言した。
また、「在韓米軍の特殊部隊の規模は非常に小さいが、非常に有能だ。陸軍の特殊部隊(Aチーム)がローテーション配備され、現在は五つの分遣隊(Bチーム)が常駐し、韓国軍特殊部隊と共に訓練を行っている」と、増強が進む北の特殊部隊に対応するための体制を整えていることを明らかにした。
Bチームは通常、11人の隊員で構成され、Aチームをサポートする。Aチームの各部隊は、12人の高度な訓練を受けた隊員から成り、別の戦闘・情報活動を担っている。
100万人もの兵力を持つ北朝鮮軍のうち、特殊部隊員は6万人以上に上り、非対称戦での重要な戦力になるとみられている。
国防総省の北朝鮮に関する2018年の報告は、「(特殊部隊員は)高度な訓練を受け、装備は充実し、待遇も良く、士気も高い」と指摘。隊員らは、北朝鮮全域に分散配備され、急襲作戦、外国からの攻撃、韓国内の「脆弱(ぜいじゃく)な標的」に対する限定的な攻撃を想定しているとみられている。
機密解除された国防情報局(DIA)の14年報告で、北は1990年代に米国に特殊部隊のチームを送り込み、有事に原発や主要都市を攻撃する準備をしていたことが明らかになっている。
一方、米軍特殊部隊は、核兵器とその設備を確保または破壊するために北を急襲する訓練を行っている。