組織改編進む陸上自衛隊

 陸上自衛隊には16の職種がある。普通科、機甲科、野戦特科、高射特科、施設科、航空科、武器科、通信科、需品科、衛生科、輸送科、化学科、警務科、音楽科、会計科、そして、平成23年3月に新たな職種として情報科が加わった。

 各職種には、それぞれに専門的な教育や調査研究を行う学校がある。

 4月1日、新たに情報に関する専門的かつ実践的な教育を一元的に行う情報学校が富士駐屯地(静岡県小山町須走)に創設され、関係者が出席するなか、式典が行われた。山崎幸二陸上幕僚長は「情報の強化なくして陸上自衛隊の未来はない。情報のメッカたれ」と訓示。さらに「サイバー・電磁スペクトラムなど新たな領域への対応や人工知能(AI)など技術の急速な進展を踏まえ、既成概念にとらわれない、未知への開拓精神を持った調査・研究に心掛けよ」と述べた。

 今後、情報学校では年間に幹部から下士官までの自衛官約400人が学ぶ予定だ。実戦に即した教育を展開している同駐屯地の富士学校(普通科、機甲科、野戦特科)と連携し、陸自の戦闘力向上に寄与する「情報のプロ」を育成する。

企画室、情報教育を担う「第1教育部」、調査研究に当たる「研究部」、語学教育を進める「第2教育部」に分かれ、第2教育部は引き続き小平学校(東京都小平市)に置かれる。

今回の情報学校の創設は、平成25年に閣議決定された防衛大綱に基づいて進められている組織改編の一つで、これまで情報教育を行ってきた小平学校の情報教育部を独立させ、機能を強化するものだ。

4月3日には、武器学校(茨城県土浦市)に「兵站(へいたん)センター」が新設された。兵站センターは、兵站の実効性向上を目指した陸自初の職種横断的な組織だ。今後は兵站に関する運用研究、共通教育の統制、部隊訓練支援などを担当する。

 陸自は現在、組織改編や様々な改革を行っている。時代のニーズに合わせて、陸自は進化し続けているのだ。

(濱口和久)