防衛省発足10年に思う
防衛省が「庁」から「省」に昇格(平成19年1月9日発足)して、今年で10年が経つ。発足当時、安倍晋三首相(第1次安倍政権)は、防衛省の幹部職員や自衛官を前に「省昇格が新たな国造りを行うための大きな第一歩となる」と訓示した。
そして、稲田朋美防衛相は今年の「年頭の辞」で次のように述べた。「本年、防衛庁が防衛省に移行して10年を迎えます。防衛省は、省移行後、2度の防衛大綱の策定や、平和安全法制の整備、新日米ガイドラインの策定、防衛省改革などといった課題を実現してまいりました。防衛省・自衛隊は、本年も、節目の年に相応しい成長の年とするべく、様々な課題に更に精力的に取り組んでいただきたいと思います。長年にわたり国民の皆様や国際社会の期待に応えてきた防衛省・自衛隊の良き伝統を守りながら、変化する安全保障環境に対応するため、創造の精神をもって、現場の皆さんとともに、職務に邁進してまいります。一緒にがんばりましょう」
この10年間、元陸上自衛官の私は民間人の立場で自衛隊を応援しながら、国内外での自衛隊の活動を注視してきた。そのなかでも6年前の東日本大震災での自衛隊の活動は忘れることができない。東北の被災地の人たちだけでなく、多くの国民が被災地で昼夜を問わず行方不明者の捜索や復旧支援活動をする自衛官の姿に感動し、頼れる存在だと感じたはずだ。
ここ数年、マスコミの自衛隊に対するスタンスも変わってきた。いまだに一部の新聞社は、自衛隊に難癖を付けるような記事を掲載するところもあるが、好意的な新聞報道やテレビ番組が増えている。自衛官の日常生活を扱った番組や、部隊の密着取材にとどまらず、自衛官と若い女性とのお見合いパーティーの番組などがたびたび放送されるようになった。
自衛隊は、日本には無くてはならない存在であり、国民の財産である。これからも国民の期待を裏切らない自衛隊であり続けてもらいたい。