92%が自衛隊に好印象

 内閣府が昭和44年から毎年続けている「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」がある。

 自衛隊に良い印象を持つ人の割合は、同年に68パーセント。昭和47年に58パーセントに一度は下がったが、その後は上昇を続け、平成27年には92パーセントが良い印象を持っていると回答している。

 自衛隊の存在目的についての質問には、「災害派遣」と考える人が最多の81パーセントを占め、次に「国の安全確保」が74パーセントと続いている。

 自衛隊の任務が発足当時に比べると、格段と増加する中、この調査結果は、国内外での自衛隊の活躍が国民に高く評価さている証拠だろう。

 一方、自衛隊に対して、憲法違反・税金泥棒と言われた時代が長く続いたのも事実だ。

 ノーベル文学賞を受賞した作家・大江健三郎氏は、将来の幹部自衛官になる防衛大学校の学生のことを「現代青年の恥辱である」と言ったことがある。

 大江氏と防衛大生と、どちらが恥辱だったかは歴史が判定すると思うが、日米同盟と自衛隊の下で、現在のわが国の平和と安全が間違いなく確保されている。大江氏もこの恩恵に浴し、豊かな生活をしているはずではないのか。また、日頃は自衛隊を批判している人も、災害時には自衛隊の炊き出しに並んでいる。

 学校現場においても、日頃は差別・人権教育に熱心な教師ほど、自衛官の子供に対する差別を公然と行ってきた歴史がある。沖縄ではいまだに一部の教師が自衛官の子供を前にして、教室で自衛隊批判を展開している。

 世界の諺に「教育が国防と治安を左右する」という言葉があるが、敗戦後、わが国は、国家のために貢献した英霊を粗末にし、公のために尽くすことや、国を守るということを軽視する教育が行われてきた。

 子供たちに、自分が生まれた国家と社会に愛着を持てない教育をしていけば、将来の国防は破綻し、国内の治安は乱れ、誰も国を守り、国内の治安を守ろうとはしなくなるだろうと私は思うが、読者諸氏は如何に。

(濱口和久)