安保法反対者の共通点
あの騒ぎは何だったのか。安全保障関連法案が参議院で9月19日に成立して以降、安保法案に反対していた学生や市民団体の活動がおとなしくなった。
一時は学生団体「SEALDs(シールズ)」の中核メンバーである奥田愛基氏を朝日新聞などは持ち上げ、紙面にもたびたび登場させていたが、最近はほとんど姿を見ない。
安保改定(闘争)、PKO法案、有事法制、そして、今回の安保法案の反対者に共通するのは、ろくに法案の中身を読みもせず、反対していた人たちが大多数であるということである。
奥田氏にいたっては、月刊『文藝春秋』11月号の中で、著述家・古谷経衝氏と対談をしているが、発言内容を読んで唖然とした。
奥田氏の発言は以下の通りだ。
「自衛隊は軍隊ではないので、海外で捕虜となった場合には、国際法が適用されず、自衛官は危険にさらされることになる。安保法案の成立によって、一段と海外での自衛官の危険が高まった」。
勉強していないというのは、奥田氏のような人間のことをいうのだろうか。
安保法案に反対するのであれば、もう少し自衛隊や国際法について、しっかりと勉強してから反対するべきである。自衛隊は海外では軍隊として扱われており、自衛隊にも国際法が適用されることは、大学の一般教養の授業でも教わるはずだが。奥田氏が通う明治学院大学国際学部では教わらないのか……。
自民党政務調査会調査役・田村重信氏が『平和安全法制の真実―冷戦後の安全保障・外交政策―』(内外出版)を出版した。約400ページもあり読みごたえがある。第2章の「朝日、赤旗、民主党、サンデーモーニング、反対派がグウの音も出ない! 『安保法制』一問一答36」は、Q&A方式で書かれており、安保法案を理解するのに分かりやすくまとめられている。
その他の章も、田村氏が外務省や防衛省などでおこなった講演録を中心に収録されており、読みやすくなっている。是非ともご一読いただきたい。
(濱口和久)





