人気を呼ぶ観艦式

 海上自衛隊の観艦式が10月18日、神奈川県の相模湾で実施された。

 観艦式には艦艇42隻、航空機37機が参加。アメリカ、オーストラリア、フランス、インド各海軍の艦艇も加わり、アメリカ海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイも上空を飛行した。韓国からも海軍の艦艇が13年ぶりに参加した。

 海自横須賀地方総監部のホームページの説明によると、昭和31(1956)年に「自衛隊記念日」が定められた翌年、「自衛隊記念日行事」の一環として観艦式を実施すると定められたとしている。

 観艦式は今年で28回目となるが、自衛隊の最高指揮官(内閣総理大臣)が海自の艦隊を観閲することにより、部隊(隊員等)の士気を高め、国内外に自衛隊の精強さをアピールする。また、国際親善や防衛交流を促進することや、国民に自衛隊に対する理解を深めてもらうことを目的としている。

 観艦式の起源は1341年、英仏戦争のとき、英国王エドワード3世が自ら艦隊を率いて出撃する際に、その威容を観閲したことが始まりとされている。日本では明治元(1868)年、明治天皇をお迎えし、大阪の天保山沖で実施されたものが初めてで、当時は「観兵式」と呼ばれていた。「観艦式」と初めて呼ばれたのは、第4回にあたる明治33(1900)年、兵庫県神戸沖で行われた大演習観艦式からだという。

 現在は、埼玉県朝霞駐屯地で実施される陸上自衛隊の観閲式、茨城県百里基地で実施される航空自衛隊の航空観閲式と、3年ごとの持ち回りで実施されている。

 海自の観艦式は、陸自が毎年8月に実施している富士総合火力演習と並んで、人気のある自衛隊のイベントであり、乗艦チケットの当選倍率は高い。

 乗艦チケットをプレミアムチケットとして欲しがるマニアもいるぐらいだ。今年初めて、出品者は不明だが、乗艦チケットがインターネットオークションに出されたりもした。

 過去には、スパイの疑いのある中国人が観艦式に参加したこともあり、問題となったこともある。

(濱口和久)