大規模災害と「いずも」
3月14日から5日間にわたって仙台市を中心に開催された第3回国連防災世界会議のパブリック・フォーラムに招待されたので、筆者も参加してきた。
国連防災世界会議は、国際的な防災戦略について議論する国連主催の会議であり、1994年に横浜市で第1回会議が開催され、2005年に神戸市で第2回会議が開催された。
第2回会議では、2005年から2015年までの国際的な防災の取組指針である「兵庫行動枠組」が策定されるなど、大きな成果を上げてきている。第3回会議では、兵庫行動枠組の後継となる新しい国際的防災指針である「仙台防災枠組2015~2030」と、防災に対する各国の政治的コミットメントを示した「仙台宣言」が採択された。
今回、国内外から4万人の参加者を見込んでいたが、最終的には9万人が参加。防災に対する意識が東日本大震災以降、着実に高まっている証しともいえるだろう。
防災に対する意識が高まれば高まるほど、国民からの期待と信頼が高まっているのが自衛隊だ。特に東日本大震災での自衛隊の活動は国民に感動を与えた。
本来、自衛隊の基本的任務は領土・領海・領空を守ることである。自衛隊を便利屋のように扱うことは言語道断だが、日本が災害大国であるという宿命を考えれば、災害時に自衛隊の出動は欠かせない。
折しも、3月25日、海上自衛隊最大の新型ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」(基準排水量1万9500トン)が就役し横須賀基地に配備された。
「いずも」の外観が空母のようにも見えることから、「日本も空母保有、アジア諸国が警戒感」という発言をしていた報道番組のキャスターもいたが、「いずも」には約450人が長期宿泊できる機能を備えており、大規模災害時には被災者の収容や、洋上司令部としても活用される予定だ。
災害は起きては欲しくないが、災害時に「いずも」が活躍する姿は、国民に安心を与えるに違いない。
(濱口和久)





