普天間飛行場の移設反対報道の裏事情
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古沖に移設するための調査がようやく始まった。
住宅密集地と隣り合わせの普天間飛行場の危険性を解消するためにも、辺野古沖への移設は前進させなければならない課題だ。
一方、調査開始(8月14日)を受けて、反対派はデモや集会を行い、「辺野古沖への移設反対」の抗議行動を展開している。辺野古沖への移設反対派は、これ以上、沖縄への過度の基地負担を認めないとしている。
しかし、沖縄には基地経済に依存した人たちが多数いることを忘れてはいけない。
沖縄の地元紙(沖縄タイムス、琉球新報)は、米軍基地の必要性を感じている県民の声は一切黙殺し、反対一色のキャンペーンを展開している。14日には、移設反対のスタンスで「辺野古沖の調査始まる」とする号外まで出した。
在京紙の中では、朝日、毎日、東京新聞などが「地元(沖縄県民)の声に耳を傾けよ」として、沖縄の地元紙に近いスタンスで報道をしている。
一般的に「沖縄には在日米軍基地・施設の75パーセントが集中している」と言われているが、これは大きな間違いだ。マスコミもいまだに沖縄には、「75%が集中している」と報道しているところが多い。
ここで言われている在日米軍基地・施設とは、米軍が単独で使用している基地・施設のことを指している。自衛隊が一緒に使用している三沢基地、横田基地、横須賀基地、厚木基地、岩国基地、座間基地、佐世保基地などは含まれていない。これらの基地・施設を加えて再計算をすると、沖縄には日本全国の在日米軍基地・施設の25%程度しかない。
本来、安全保障政策は国家の基本であり、住民の意見を100%聞いていては、国防は成立しない。
沖縄県民にも、沖縄が地政学的に重要な地域であることを理解してほしいものだ。このままでは中国の思う壺となるだけである。
(濱口和久)