紅海のほとりで「美の競演」ーイスラエルから
地球だより
イスラエルの最南端、紅海に面したリゾート都市エイラートで第70回ミス・ユニバース世界大会が開催された。なんでも、イスラエルが今年、ワクチン接種でいち早く実績を挙げた国だったので、初めて開催国に選ばれたという。
しかし、事はそうたやすくなかった。直前になってオミクロン株の影響で、外国人の入国が禁止されたのだ。各国を代表するミスたちのほとんどはそれまでに入国していたが、後から例外扱いで入国したミスたちもいた。入国後に感染者も出たりした。
問題はコロナだけではない。パレスチナ問題に神経質になっている国が、ボイコットを表明したのだ。南アフリカもその一つの例だったが、南アフリカのミス代表は、勇敢にも政府のサポートなしで参加した。
コロナ禍でミス代表を送れない国もあったが、イスラエルと国交正常化したバーレーンやモロッコを含む80カ国のミス代表がグランプリの座を競い合った。王冠はインド代表の頭上に輝いた。
昨年の優勝者であるメキシコ代表は「ミス・ユニバースは政治とも宗教とも関係ない。それは、あくまでもすべての女性のことであり、女性が何を貢献できるかということです」とコメントしていた。
各国のミス代表たちは、イスラエルを観光しながら、混在するユダヤとアラブの文化に触れ、それまでのイメージが大きく変わったと口々に語っていた。
この勇敢な女性たちが、どのように社会貢献してくれるのか楽しみだ。
(M)
(サムネイル画像:Wikipediaより)