玄関先の荷物を盗む「海賊」にご用心ー米国から
地球だより
クリスマスシーズンのこの時期、メディアで「ポーチ・パイレーツ(玄関先の海賊)」をどう防止するか、といった報道をよく見掛けるようになった。
これは玄関先に置き配された荷物を盗む人たちのことで、新型コロナウイルスのパンデミックによってオンラインショッピングの利用が増える中、こうした犯罪による被害は増えている。特にプレゼントのために買い物をするクリスマスシーズンは、特に玄関先の荷物が標的にされる。
感染が拡大した昨年春から、筆者の自宅に届く荷物もほとんどが置き配になった。留守の場合でも再配達をお願いしなくて済むので、お互い面倒は省けるが、当然ながら盗まれるリスクも出てくる。
ある調査によると、今年に入ってから米国人の23%が配達された荷物を盗まれる被害を受けたという。玄関先に監視カメラを設置するなど対策が取られているが、それでも盗む人はいて、素早く荷物を持ち去り、車に乗り込む様子がネット上に公開されている。
こうした中、カリフォルニア州サニーベール市の警察はフェイスブックで、複数の家の玄関先に幾つかの「おとり小包」を置くと発表し、「ポーチ・パイレーツは用心せよ」とのメッセージを投稿。GPS機器などが入っているとみられるラッピングされた箱やアマゾンの段ボールを映した写真もアップし、「小包を盗めば、あなたが望む以上の結果を得るかもしれない。牢獄(ろうごく)行きの無料乗車券だ」とユーモア交じりに警告した。
この抑止効果がどの程度あるのか分からないが、いずれにしろこうした盗みはクリスマスの楽しみを台無しにしかねず、犯人には思いとどまることを願ってやまない。(Y)