韓米の新作戦計画、北核高度化に対応できるか
韓米国防長官が2日、ソウルで定例安保協議(SCM)を行い、新しい戦略企画指針(SPG)を作成することで合意した。北朝鮮の核・ミサイル開発などの安保環境を考慮し、新しい作戦計画をつくることにしたのだ。徐旭国防長官とロイド・オースティン国防長官は共同記者会見し、「戦時作戦統制権(戦作権)移管のための韓国軍の完全運用能力(FOC)評価の施行と、在韓米軍の戦力水準維持、来年までに連合司令部本部の平沢移転を完了することにした」と発表した。今年5月、韓米首脳会談の共同声明に反映された“台湾海峡”での平和と安定維持の重要性を再確認する内容も含まれている。
新作戦計画の樹立は北朝鮮の核・ミサイルの高度化などに対応するための避けられない措置であり望ましいことだ。核・ミサイル運用を専門的に担当する北朝鮮の戦略軍は戦術核などを研究・開発する段階から抜け出し作戦運用する段階に入ったという。北朝鮮は1月の労働党大会で金正恩国務委員長(総書記)が核武力を強調した後、極超音速ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)等を開発中で、寧辺の核施設で5MW原子炉稼働の兆候も捉えられている。
既存の作戦計画5027は40年前につくられたもので、最近作成された作戦計画5012も韓半島および東北アジアの安保情勢の変化に対応できないという指摘を受けている。韓米の新作戦計画樹立は北朝鮮の強い反発を呼び、朝米対話にも影響を与えるものと見られる。
戦作権移管の時期を見計らうことができるようになった点は大きな成果だ。両長官は、「2022年に、未来連合司令部の連合作戦遂行能力評価のうち、第2段階のFOC評価を施行する」と時限を定めた。このようになれば来年後半期の連合指揮所訓練(CCPT)期間にFOC検証評価を経れば、戦作権の移管時期を予測することができる。
北朝鮮の核脅威に対応しようとするなら、韓米同盟を強化しなければならない。それなのに韓国政府は米国が否定的な立場を示す(朝鮮戦争の)「終戦宣言」に拘泥しており、心配だ。中国を訪問した徐薫大統領府安保室長は2日、北朝鮮の終戦宣言参加を説得するため、中国の外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員に会った。洪鉉翼国立外交院長は米シンクタンク「ウィルソン・センター」がワシントンで開いたセミナーで、「終戦宣言ができないまま行くことになれば、来年夏はとても大変な時期になるだろう。米国は北朝鮮が核を放棄し得る機会を与えなければならない」と韓米同盟の亀裂をもたらしそうな発言を行った。だが、今は終戦宣言にこだわる時ではない。堅固な韓米同盟だけが国益を守ることができる。
(12月2日付)