光の祭り「ハヌカ」ーイスラエルから


地球だより

ハヌカWikipediaより

 店頭に並ぶドーナツを見て、もう年末かと思わせられた。イスラエルの祝日の一つ「ハヌカ」は毎年12月にあった。この祝日はユダヤ暦に則(のっと)っているので、今年は珍しく11月末から始まって、不思議な気分だった。

 紀元前、イスラエルがギリシャ軍に弾圧されていた時に、エルサレム神殿の燭台(しょくだい)に明かりをともす油つぼが汚された。汚されていない油つぼが一つだけ見つかり、1日しか持たない量の油で8日間燭台が燃え続けるという奇跡が起きた。

 「光の祭り」とも呼ばれているこの祝日の8日間、ユダヤ人たちは、ハヌキヤと呼ばれる燭台に1日1本ずつろうそくの火をともす。最終日には種火を含む9本のろうそくに火がともる。

 ユダヤ人たちはこの期間、油の奇跡にちなんで、スフガニヤというジャムが入った揚げドーナツや、じゃがいもをすり下ろして小麦粉と卵を加え揚げ焼きにするレビボットを食べるので、太ってしまうという。

 ユダヤ人の子供たちは、大人からおもちゃを買ってもらったり、お菓子の詰め合わせをもらったりするので、ハヌカをとても楽しみにしている。

 例年は親子連れで賑(にぎ)わうイベントが各地で開かれるが、昨年からコロナの影響でそういう楽しみからは遠ざかっている。小さい子供たちは家の中でスフガニヤを食べながら、「ネス・ガドール・ハヤ・ポ(奇跡はここにあった)」と書かれたコマを回しながら遊んでいることだろう。

 わが家では生地をこねて、揚げたてホカホカの自家製ドーナツを味わった。

(M)

(サムネイル画像:Wikipediaより)