髙橋 利行
表紙の見栄え 衆院選の劣勢挽回つながるか
政界の風を読むー髙橋利行 表紙を替えても中身が変わらなければだめだ。そう正論を叩きつけて、竹下登から後継総裁になってほしいという要請を蹴ったのが伊東正義である。政治家ならば誰でも咽(のど)から手が出るほど欲しい宰相の座…
漂う乱世の匂い、自民の負け幅左右する総裁選
政界の風を読むー髙橋利行 永田町に「乱世」の匂いが漂い始めた。「大乱世」の焦げ臭さも混じる。第一幕は自民党総裁選である。宰相・菅義偉が党を牛耳る幹事長・二階俊博と組んで派閥の領袖(りょうしゅう)連を手懐け再選の地均(じ…
怪物・二階俊博の反攻構想 われ米中の「懸け橋」とならん
政界の風を読むー髙橋利行 政治家は数々の柵の中に生きている。若手であろうと中堅であろうと、実力者であろうと変わりない。まして稀代(きだい)の古強者である二階俊博(自民党幹事長)ともなると十重二十重の呪縛に囚(とら)われ…
衆院選の先行指標、自民「都議選+200」獲得説も
東京都議会議員選挙は、いつもドラマティックに動く。平成時代だけを見ても8回の都議選のうち7回までが衆院選か参院選の直前に行われ、その結果に連動している。早い話、都議選はその直後に行われる国政選の「先行指標」なのである。…
神様、仏様、ワクチン様 自民、単独過半数割れの崖っ縁
政界の風を読むー髙橋利行 ヒトは誰しも、何時(いつ)かは、己の人生において「究極の決断」を迫られる時がくる。市井の民であろうが、位人臣を極めた人物たるとを問わない。コロナ禍に蹂躙(じゅうりん)されている日本列島の惨状を…
侮れぬ補選・再選挙、“前門”のバイデン“後門”の二階
政界の風を読むー髙橋利行 歴(れっき)とした自民党推薦候補が百万票もの大差で敗れる選挙にはなかなかお目にかかれるものではない。千葉県知事選挙(3月21日投票)である。聞けば千葉県政の複雑な勢力争いが如実に反映した選挙ら…
弱り目に祟り目、政権の浮沈占うワクチン接種
喜寿を過ぎた今も、時折、魘(うな)されることがある。実家近くの低空から怪鳥のような米軍戦闘機に機銃掃射を受ける夢である。せいぜい1、2歳の記憶である。今となっては夢か現(うつつ)かさえ定かではない。 物心ついてからの…
従者に英雄なし、危機突破に女性擁立も視野
「従者に英雄なし」という言葉がある。世間で英雄とか偉人とか呼ばれ崇(あが)められている大人物と言えども、年中身の回りの世話を焼いている「従者」から見ると、手のかかる「ただの人」に過ぎないという意味である。弁証法を打ち立…
危機からの「復元力」、国民の目は節穴ではない
長期政権には秘訣(ひけつ)がある。「危機」からの「復元力」を持っていることである。政権には、人生と同じように山もあれば谷もある。嵐に見舞われ崖から滑落、命を失う危険もある。コロナという得体の知れない敵に蹂躙(じゅうりん…
「背水の陣」の賭け、連立が破綻すれば天下騒乱
「一強」を誇示している自民党の力の源泉も、突き詰めると、20年にわたる公明党との連立にある。「尾っぽ」が頭を振り回すリスクはあるが、小さな政党が味な力を発揮する。それが連立の妙味である。自主憲法制定を党是とする自民党と…
狸や狐を操るのも芸の内
ポスト安倍 宰相の条件(下) 政治評論家 髙橋利行 いつの世でも庶民の勘は鋭い。いとも容易(たやす)く権力者の正体を見破る。「一強」と怖(おそ)れられてきた安倍晋三政権も、いつの間にか「事実上の菅義偉政権」になったと見…
電撃退陣表明の真相 「米中冷戦」というキングメーカー
潰瘍性大腸炎という難病が、宰相・安倍晋三を2度にわたって退陣に追い込んだ。戦後最年少の若さで宰相に就任した第1次政権、そして史上最長の連続在任記録を更新したばかりの現政権である。この病気にはストレスが何よりも悪いらしい…
歴史と経験に学び責務果たせ
緊急事態と憲法 私の提言(中) 政治評論家 髙橋利行 人類の歴史は感染症との闘いの歴史だ。14世紀にはペストで死者が1億人出て、これがきっかけで中世が終わっている。1918年にはスペイン風邪。死者5000万人で、第1次…
コロナ禍で激発した「遺恨試合」
首相“退陣意向”表明が裏目に 疫病、恨み、嫉(ねた)み、憎しみ、遺恨、私利私欲、悪巧みなど、この世に蔓延(はびこ)る、あらゆる「災い」は、ギリシャ神話に拠(よ)れば、全能の神ゼウスが地上に寄越(よこ)した「パンドラの箱…
ホントは強靭な民主主義
平時には「危機管理」根本吟味を 「焦(じ)れってぇな、全く」「非常事態の法制はないのか。政治の怠慢じゃないか」「鎖国だ。鎖国」。気の短い江戸っ子なら、そんな悪態の一つもつきそうな空気が充満している。蔓延(まんえん)する…
「日米安保」は自ら佑くる者を佑く
自衛隊動き、トモダチ作戦加速 「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰」と鏡に問い掛ける美しい継母(ままはは)。「お妃(きさき)さま、それは貴女(あなた)です」と答える魔法の鏡。だが、白雪姫が7歳になったある日、鏡の答えが一変…
“牛蒡抜き”で襷を渡すのもレジェンド、まだ見えぬ「永田町駅伝」の行方
テレビを点(つ)けると、毎週、どこかで誰かが走っている。「駅伝」であったり「マラソン」であったりする。マラソンは、古代ギリシャ時代、アテナイ(アテネ)がペルシャ軍を撃退した「戦勝」を伝えた伝令の故事に因(ちな)んだらし…
トランプ再選なら「安倍四選」が国益
“じゃじゃ馬”御する稀な政治家 赤提灯(ちょうちん)で隣り合わせた飲み友達にしても、ママ友にしても、「人付き合い」というものは存外難しい。「美女と野獣」というように、当人同士にしかわからない「相性」がある。まして国家を…
野党の「統一候補」戦略は怖い
“驕り”で長期政権に北風も 八百万の神々が在(おわ)す日本のことだから、永田町に「選挙の神様」がいたとしてもなんら不思議はない。戦前、政友会が定数466中304議席を獲得した選挙(1932年)を主導した辣腕(らつわん)…
まだまだ短い
政治評論家 髙橋利行 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の誰を好むかと問われると、日本人の多くが「信長」を選ぶという。短い人生を峻烈(しゅんれつ)に生き抜いた生き様が、日本人を引き付けて止(や)まないのだろう。 信長が好ん…
改憲へ匍匐前進・安倍自民党
鍵は二階氏の公明「折伏」 天皇陛下の御即位を内外に知らしめる「即位礼正殿の儀」が厳かに執り行われた。雨中で始まった式典の途中で虹が出るという吉兆も現れた。目出度(めでた)いことである。皇室の弥栄(いやさか)を祈りたい。…
「小泉進次郎」という恋から醒める時
辛口評価の大臣デビュー イギリスの劇作家シェイクスピアの戯曲「ヴェニスの商人」に、悪名高いユダヤ人の高利貸しが登場する。シェイクスピアは、その娘・ジェシカの口から「恋は盲目であり、恋人たちは自分たちが犯す愚行に気づかな…
内閣改造 夜啼きしている「伝家の宝刀」
政治評論家 髙橋利行 臨戦態勢整えた布陣に 今、宰相・安倍晋三にとって思いは一つである。2021年9月までの残された任期中に、何としても衆院解散・総選挙を断行し勝利を収めることである。勝ち抜いて浮力を増せば、自ずと「安…