増 記代司
安保法制、同姓合憲など今年の朝、毎、東京の論調を表す漢字は「虚」
◆「徴兵制」の虚言流す 今年の世相を表す漢字は「安」だったが、新聞はどうだろうか。むろん新聞は世相の鏡とされるから、「安」に異論はない。だが、それは表層のことで、その底流に「虚(きょ)」が横たわっていたように思えてなら…
夫婦同姓合憲判決に家族再生の視点を軽視して批判する朝、毎、日経
◆個人あって家族なし 父母を敬う、人を殺さない、姦淫しない、盗まない。モーセの十戒にはそうある(旧約聖書)。紀元前13世紀頃のものだが、古いからといって変えてよいものだろうか。 民法の夫婦同姓を合憲とした最高裁判決を…
「ひとり親世帯の貧困」に対策説く毎日などに欲しい家庭再建の観点
◆首を傾げる貧困事例 「ひとり親世帯の貧困防げ」。こんなタイトルの記事が毎日3日付家庭面に載った。記事はひとり親(母子・父子)世帯の「貧困」を取り上げ、自治体の経済的支援策を紹介している。今年1年、ひとり親は子供の貧困…
公務員の特定秘密「適正評価」にプライバシーで抗う共同配信地方紙
◆推測で書く「抵抗感」 昨年12月に特定秘密保護法が反対運動の喧噪の中で制定されて1年、特定秘密を扱う公務員らが秘密を漏らす恐れがないかを調べる「適性評価」がほぼ終わり、同法は1日に完全施行された。 特定秘密の取り扱…
「夫婦別姓」容認の各社説など「家族の多様性」論に欠ける子供の福祉
◆「個」を理由に正当化 本紙27日付論壇時評に「家族の復権」と題する月刊誌「正論」12月号の特集が紹介されていた(森田清策・編集委員)。テレビも新聞も「家族の多様性」を理由に同性婚の容認論に染まっているが、容認論は子供…
駐沖縄米総領事インタビューを共同が配信し沖縄紙が叩く反米共闘
◆偏向が疑われる共同 新聞とりわけ地方紙の「裏方の役割」を果たしているのが共同通信だ。一般企業でなく、公益法人である。全国の新聞社やNHK、民間放送局が「加盟社」となり運営されている。ニュースだけでなく論説や小説なども…
仏同時テロ事件と重なった朝日コラムの憲法・緊急事態条項反対論
◆どの国にもある条項 フランスで凶悪な同時テロ事件が発生した。オランド大統領は非常事態を宣言し、厳戒態勢を敷いている。東京で同じような無差別テロが発生すればどうだろう。安倍首相は仏大統領のように非常事態宣言を発せるだろ…
BPO意見書をNHK倫理違反より安倍政権批判にすり替える朝毎
◆「やらせ」問う読・産 事前取材も裏付け取材もなしに、情報提供者の証言に全面的に依存し、報道番組で許容される演出の範囲を著しく逸脱。「隠し撮り」風の取材で事実を歪曲し、スタッフ間で健全なチェック機能も働かず、重大な倫理…
虚構の「琉球独立論」 中国領拡張の段取り研究
《 沖 縄 時 評 》 反米学者ら呼応し論壇広報 昨年11月の沖縄県知事選挙で翁長雄志氏が当選して1年。以来、反基地闘争を繰り広げる人々は「自己決定権」を唱え、地元紙に「琉球独立論」がしばしば載るようになった。 翁長…
冷戦時代から東側に傾斜したユネスコに踏み込まぬ「記憶遺産」報道
◆国連=平和の先入観 19世紀の英国にトマス・ハクスリーという生物学者がいた。「ダーウィンの番犬(ブルドッグ)」と呼ばれた進化論者で、とりわけ唯物論を擁護したことで知られる。その孫は祖父よりも有名になった。ユネスコ(国…
宜野湾市民らの翁長知事提訴は扱い乏しい琉球新報、沖縄タイムス
◆本土紙より目立たず 沖縄の地元紙、沖縄タイムスと琉球新報は「本土紙は沖縄の米軍基地問題を小さく扱い、県民の気持ちに寄り添わない。だから我々は県民に寄り添い、基地問題を大きく報じている」と主張している。 今年7月、作…
野党結集に共産混ぜた「多様性」を旗印に勧める朝日社説の政策無視
◆反安保法デモに迎合 朝日が面白いことを言っている。「与党が『安倍一色』ならば、(野党は)これを逆手に『多様性』を旗印とする。そんなしたたかさがあっていい」と(12日付社説)。 タイトルには「野党の結集 多様性こそ力…
毎日が産経との世論調査論争で毎日の責任問い「輿論」説く意見掲載
◆安保法制めぐる応酬 今日から始まる新聞週間にちなんで、米国の新聞王・ハーストのこんなエピソードを紹介したい。 19世紀末、スペインの植民地キューバに特派員と挿絵画家を送り込み、反乱軍の取材をさせた。その活躍を記事に…
国連演説に共産主義者ゲバラ賛美で筆が滑った反安保法論調の東京
◆「救いがたい」に相槌 「週の初めに考える」。東京新聞にそんなタイトルの社説がある。東京がどう考えているのか、ときどき目を通すが、朝日よりも左シフトで何が書かれていてもさほど驚かない。が、9月28日付にはびっくりさせら…