初のP1女性機長誕生
女性が活躍する職域が拡大している。自衛隊も同様だ。P1ジェット哨戒機を海上自衛隊の部隊で最初に配備・運用している第4航空群第3航空隊(厚木航空基地)に昨年末、初の「女性機長」が誕生した。
初の女性P1機長となったのは第31飛行隊の荒川美代子1尉(31歳)だ。日本大学経済学部を平成22年3月に卒業し、海自幹部候補生学校(広島県江田島)に一般幹部候補生として入隊。7年間の厳しい訓練・研修を経て、昨年11月9日に、「機長資格」を取得した(朝雲新聞1月4日付)。
ちなみに最新鋭のP1ジェット哨戒機は、機体は川崎重工業、エンジンはIHIが製造し、機体の開発・製造では、三菱重工が中胴と後胴、富士重工が主翼と垂直尾翼を担当し、日本飛行機も分担生産に参加している。システム面では、搭載レーダーは東芝、音響処理装置は日本電気、管制装置はシンフォニアテクノロジー、自己防御装置は三菱電機、空調装置は島津製作所、脚組み立ては住友精密工業などが参加するなど、純国産で開発された。
P1は、4発のエンジンを搭載し、航続距離は約8000キロ。速度などの性能は現行のP3C哨戒機より3割向上しているため、より長時間、警戒監視活動が可能となる。操縦席には地図を映し出す液晶モニターを備え、潜水艦の音や磁気などの情報を集める隊員の席が1席増えて4席となった。モニターも1人当たり二つに増えてカラー画面になり、情報の分析がより効率的にできるようになっている。潜水艦を探すための音響探知機も性能を向上させ、自動式でより多く投下できるなど、最新型の潜水艦にも対処できる能力を備えている。
今月10日~11日に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域を潜没航行した中国海軍の潜水艦にとっても、P1ジェット哨戒機の存在は脅威に感じるに違いない。
冒頭の話に戻すが、東シナ海や日本周辺海域で、中国海軍の艦艇の動きが活発化していくなか、荒川1尉をはじめ自衛隊の皆さんを、国民の1人として、今年も応援していきたい。
(濱口和久)





