「赤旗」購読料を議員報酬から天引きー福島県須賀川市
市議会事務局が代行徴収
福島県須賀川市議会議員の毎月の報酬明細書の中に、日本共産党機関紙「赤旗」の項目があったことがこのほど、明らかになった。同市議会事務局が共産党機関紙の購読料を同紙販売店に代わって天引きして徴収していた形で、関係者によると保守系無所属の議員の中にも引き落とされていた議員が数人いた。これは、政治の中立が求められる地方公務員が特定の政党に配慮して協力していた疑いがあるものとして批判を浴びそうだ。
報酬明細書の項目は「議員クラブ」「常任委員会」「会派積立」など約10項目あるが、「赤旗」の2文字は、議員報酬から金額が差し引かれる項目とともに記載されていた。一般紙や他の政党機関紙は皆無で、「赤旗」だけが天引きの対象となっている。
関係者の話では、この「赤旗」徴収がスタートしたのは平成27年9月18日の議員報酬からで、つい最近まで続いていたという。市議会事務局が特定の政党機関紙の集金業務を代行するような状況を問題視する声は一部で上がっていた。同市の渡辺康平市議は、6月の定例議会で問題視し、「市役所の職員の給与から政党機関紙控除はしていない」との証言を引き出したという。
こうしたことから、共産党市議の申し出により議員報酬からの天引きを止めたというが、①市の職員で構成されている議会事務局がなぜわずか10項目ほどの給与項目の中に「赤旗」だけを入れたのか②市庁舎内で「赤旗」を購読している共産党所属以外の議員の名前、人数③議会事務局が徴収した「赤旗」購読費はどういった形で共産党側に支払われてきたのか――などの疑惑は深まっている。