八代氏テレビ発言、共産党はまず国民に謝罪を


志位和夫委員長

TBSテレビ10日放送のワイドショー番組「ひるおび!」内で、コメンテーターの八代英輝弁護士が「共産党は暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」と発言した。これに共産党は「謝罪と訂正」を求め、TBSは謝罪した。

しかし、共産党には暴力テロ活動を展開し国民を恐怖に陥れた過去があり、今も暴力革命の可能性を秘めている。八代発言は言葉足らずの感はあったが趣旨に誤りはない。共産党こそ国民に謝罪して暴力不使用を宣言すべきである。

公正中立だった釈明

八代発言について、共産党は「許されないフェイクだ」などと批判し、13日の放送で江藤愛アナウンサーが「共産党の綱領にそのようなことは書かれていなかった。訂正しておわびする」と謝罪。続いて八代氏が「私の認識は、閣議決定された政府見解に基づいたものだった。一方で共産党はたびたび否定していることも併せて申し上げるべきだった」と釈明した。

ところが、小池晃同党書記局長は、八代氏が「自らの発言が事実無根だったと一切認めず、筋の通らない弁解をした。全く謝罪に値しない」と批判したのである。だが、八代氏は客観的で公正中立な回答をした。発言の根拠は政府見解にあり、共産党がそれを否定してきた事実を述べたにすぎないからである。

この共産党の暴力革命方針について、加藤勝信官房長官は14日の記者会見で「変更ないものと認識している」と改めて政府の立場を説明した。共産党は、武装闘争を唯一とする戦術を自己批判したが、革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方によるとする、いわゆる「敵の出方論」を採用し、暴力革命の可能性を否定することなく現在に至っている。

共産党は今も破壊活動防止法に基づく調査対象団体なのである。「敵の出方論」という言葉を今後は使わないと8日に決定したというが、本質に変わりあるまい。

志位和夫委員長は官房長官発言について「全く成り立つ余地のないデマ攻撃だ」と反論し、政府見解は「到底許されない」と非難した。ならば、不破哲三前議長と上田耕一郎元副委員長が共著『マルクス主義と現代イデオロギー』で「一国の共産党が全組織をあげ、約2年間にわたって国民にさし示した責任のある歴史的行動であった」と武装闘争について評価した内容を「デマ」と断言できるのか。

共産党は1951年に「綱領」を採択して「軍事方針」に基づき全国各地で殺人事件や騒乱事件などを引き起こしてきた。その背景には、朝鮮戦争を後方支援し日本国内を撹乱(かくらん)せよというスターリンや毛沢東といった国際共産主義指導者による指令があったのである。

暴力革命の真相に迫れ

立憲民主党の主要メンバーが要職にいた民主党政権時代にも監視対象と位置付けていた政党と選挙で共闘するのがふさわしいのか。「フェイク」「デマ」で済まされる話ではない。八代発言を機に、テレビ局は真相に迫るべきだし、共産党にこそ「敵の出方論」についての説明責任を求める。