米大統領、最高裁判事に保守派を指名
トランプ米大統領は31日夜、空席が出ていた連邦最高裁判事に保守派のニール・ゴーサッチ連邦高裁判事(49)を指名すると発表した。上院がゴーサッチ氏の指名を承認すれば、最高裁は再び保守派5人、リベラル派4人の構図に戻り、保守派の優位が保たれることになる。予定を2日前倒ししての公表だった。
トランプ氏はホワイトハウスでの演説で、米社会に「永続的」な影響を及ぼす最高裁判事人事は「国家防衛に次いで最も重要な大統領の決定」だと強調した。
ゴーサッチ氏はハーバード大法科大学院を修了し、ブッシュ共和党政権下の2006年に高裁判事に就任。法律の条文を本来の意味通り解釈する「オリジナリスト」として知られ、銃所持の権利や信教の自由を擁護する判決を下してきた。
保守派・宗教界はゴーサッチ氏の指名を歓迎しているが、上院の指名承認は難航が予想される。オバマ前大統領が指名した判事候補は共和党の抵抗で承認採決が行われなかった経緯があり、今度は民主党が「報復」(米メディア)で承認阻止に動く可能性があるからだ。共和党は承認に必要な過半数の52議席を持つものの、民主党が「フィリバスター」と呼ばれる議事妨害に出た場合、これをやめさせるには60票を確保する必要がある。
(ワシントン早川俊行)