米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が中国軍側と秘密裏に連絡を明らかになり、大きな問題となっている。


トランプ米大統領(左、当時)とミリー米統合参謀本部議長=2019年10月、ワシントン(AFP時事)

トランプ米大統領(左、当時)とミリー米統合参謀本部議長=2019年10月、ワシントン(AFP時事)

 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が昨年10月、トランプ大統領(当時)が中国に戦争を仕掛けることを懸念し、中国軍側と秘密裏に連絡を取って攻撃を行う際は事前に連絡すると伝えていたことが明らかになり、大きな問題となっている。

ワシントン共同は異例の事態として「(米軍トップが)トランプ氏の予測不能な行動に、深刻な危機感を抱いていたことが浮き彫りとなった」と結んでいる。他のメディアも同じように伝えた。

一方、世界日報の山崎洋介ワシントン特派員は、この報道を受けてトランプ氏が「彼は大統領の意に反して中国側と取引し、彼らに『攻撃』の通知を与えると言った点で反逆罪で訴追されるべきだ」との声明を発表したと報じている。

共和党のルビオ上院議員も「シビリアンコントロールを阻害する軍幹部は全く容認できない」として、ミリー氏は辞任すべきだとの書簡をバイデン大統領に送ったという。

同じニュースも焦点の当て方次第で実質的に全く違ったように報じられることはままある。しかし事は一歩間違えば、国の命運を左右する問題である。

シビリアンコントロールについては、戦後の日本のメディアは世界のどの国よりも厳しい姿勢を示してきた。にもかかわらず、他国とはいえ同盟国の米国で、それがあからさまに踏みにじられたことを全く問題にしないのはどういうことだろう。リベラルメディアの御都合主義ここに極まれりというしかない。