自由と合併「国民民主」 「統合と結集」は選挙次第
略称「民主党」で再起なるか
参院選をにらみ国民民主党と自由党が4月26日に合併し、これを機関紙「国民民主プレス」が5月17日号に載せた。玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表が合併合意書を手に並ぶ写真とともに、小沢一郎、日吉雄太、屋良朝博の各衆院議員、森ゆうこ、青木愛、木戸口英司の各参院議員ら6人の入党を報告した。
しかし、昨年の結党から離党した議員は、3日に離党表明した山井和則国対委員長代行(衆院議員)含め7人。帳尻が合わない。この合併でも離党者が出て立憲民主党を上回る勢力にならなかった。
その最大の理由は支持率だ。各世論調査で国民民主党は1%程度、立憲民主党は5%程度だ。国民民主党は第2野党だが、議席の少ない共産党や日本維新の会の2%前後より低い。
また、政治報道では政権党に次いで第1野党が目立つ。支持率で立憲民主党に及ばずとも、合流や合併で議席を増やし第1野党になれば注目度が上昇して挽回の可能性もある。ところが両方ともダメだった。
同紙は玉木氏の記者会見から、合併を「『統合と結集』の新しい時代」の「第一歩」としたいと強調するが、実際は選挙を通じた淘汰(とうた)で「統合と結集」はなされる。吸収された自由党はそれに外ならない。
同紙はまた、今回の参院選で略称を「民主党」にしたと告げた。参院会派の公式略称が「民主」であり、「国民民主党は民主党の後継政党であり、法的にも存続政党」との説明だ。
「民主党」は政権時代の負のイメージが強いとはいえ知名度はある。ミニチュア版民由合併で、再起の足掛かりとしたいところだろう。が、立憲民主党に対し参院選の劣勢は否めない。支持労組も分かれて、立憲民主=旧社会党、国民民主=旧民社党と時計の針が逆戻りした感もある。
存在感を示すには共産党を交えた野党共闘を離れて、92年ごろの自衛隊海外派遣での自民、公明・民社(自公民)、12年の消費税率引き上げでの民主、自民・公明のような与野党協調、是々非々路線―に切り替えるべきではないか。
編集委員 窪田 伸雄





