重大問題に対し回答しないとは、どういうことなのか
実質的に次の首相を決める自民党総裁選。いま日本を取り巻く国際情勢から見ると、これまでにない重い選択となる。世界覇権を狙う中国の野望を阻止するため、自由主義陣営が対中包囲網を形成しつつある。日本が網の破れ目になってはならない
日本ウイグル協会などの団体でつくる「インド太平洋人権問題連絡協議会」が、総裁選立候補者4人にアンケートを実施。中国政府による人権侵害を非難する国会決議を採択すべきかを尋ねた
岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行は「採択すべき」との考えを示したが、河野太郎規制改革担当相の事務所からは「回答しない」との連絡があったという
国際社会での重大問題に対し、回答しないとはどういうことなのか。首をかしげざるを得ない。中国がTPP(環太平洋連携協定)の加盟を正式申請するや否や、台湾も申請した。インド太平洋情勢はますます緊張の度合いを高めていきそうだ
日本の根幹である皇位の安定継承に関しても、女系天皇を容認する候補もおり、これも国の行方を大きく左右する。にもかかわらず、自民党の若手には、政策の是非よりも「次の選挙の顔」に誰がふさわしいかで決めようとしている議員も少なくない
そういう議員には、何のために国会議員になったのかと問いたい。もちろん政治は理想だけでは動かない。しかし、理想の実現のために政治家を志したのではなかったのか。