中国軍 台湾対岸で無人機強化


米シンクタンク 武力攻撃に懸念

 中国陸軍は、台湾海峡対岸で多数の無人機の配備を進めており、将来、台湾に対し何らかの武力攻撃が行われるのではないかと懸念が高まっている。米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」が最新の報告「台湾海峡への監視」で明らかにした。

 報告は「無人機によって今後数年間で、台湾海峡の戦場は変わっていく」と予測。台湾は、敵の攻撃を抑止し、侵攻を阻止するために人工知能(AI)を生かした兵器を取り入れ、防衛力を強化することが必要と主張している。

 中国軍は、「台湾の対岸に、大型の高度な無人機を備えた部隊を配備している」と報告は指摘しており、これらの無人機は、有事に情報収集、兵器を無力化する電子戦、欺瞞(ぎまん)工作、ミサイル攻撃など軍事作戦で重要な役割を果たす可能性があるという。

 一方で報告は、無人機が台湾防衛計画の重要な部分を占めていると指摘。台湾は、無人機を使って中国に対抗するなど、規模で優る中国に対して小規模な軍で優位に立つための防衛戦略を取り入れていることを強調した。

 台湾は、3種類の無人機を配備している。手投げ式の小型機、洋上監視と中国のレーダーを攻撃するためのミサイル搭載中型機、偵察と艦艇への攻撃のための航続距離の長い大型機だ。

 報告は米政府に対し、台湾に自衛のための高性能の無人機を供給し、米軍の無人機を台湾防衛に組み込むことを提言、「無人機の統合ネットワークができれば、抑止力は高まり、判断ミスのリスクも下がる」と台湾防衛へ米国の関与強化を求めた。

(ワシントン・タイムズ特約)