美化される移民救済制度


米国 1割に犯罪歴

 「これほど多くのことが書かれているのに、その実像はよく知られていない」と語るのは、米シンクタンク「移民研究センター」のジェシカ・ボーガン政策研究部長。幼少期に親に連れられて不法入国した若者の強制送還を免除する制度「DACA」(不法子女救済措置)は、オバマ前政権時代につくられ、民主党を支える政治パワーとなってきた。

 米移民局によると、過去8年で82万5000人がDACAに認定され、昨年末時点で64万9070人が対象となっている。メキシコ系が80%を占め、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、韓国が一桁で続いている。

 中でも7歳で米国に来て、DACAに守られオックスフォード大学入学を果たしたジンキュー・パク氏のことは大きく取り上げられた。

 一方、DACA対象者の中で、犯罪行為を理由として資格を剥奪されたものが2017年に760人、18年に820人となっている。暴力団とのつながりがあったエマヌエル・ジーザス・ランゲルヘルナンデスが4人の殺人を犯した例もある。

 もともと1割は密入国斡旋、暴力団との関わりなどで犯罪歴がある。連邦最高裁は6月18日、大統領のDACA廃止命令は違法との判断を示したが、5対4の僅差だった。移民とこの制度への評価はまだ定まっていない。

(ワシントン・タイムズ特約)