日本的個人主義のススメ


久保田 信之

NPO法人修学院院長 久保田 信之

 私は長年、家庭裁判所の調停委員として、多くの夫婦間のトラブル、さらには親子や親族間の争いを「傍観者とは違う調停者の立場から」深刻に受け止めてきた。

 「本当の私を取り戻す、自分に正直でありたい」との欲求を強くし、現在の人間関係を「もうこれ以上耐えきれない、息苦しい最悪の状態だ」と「自分で自分を追い込み」「悩みに悩みぬいた結果」、離婚・離縁その他、現在の関係を清算した彼方にのみ救いがあるとの結論にたどりついた人が家庭裁判所の門をたたく、これが実態だ。


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