「新疆綿」使用停止を ユニクロ本部前で抗議


 中国のウイグル人に対する強制労働が疑われている問題で、衣料品ブランド「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングに対し新疆ウイグル自治区産の「新疆綿」の使用停止などを求める抗議行動が22日、港区の同社東京本部前で行われた。

ユニクロ東京本部前で新疆綿の使用停止を訴える人々=22日午後、東京・赤坂(辻本奈緒子撮影)

ユニクロ東京本部前で新疆綿の使用停止を訴える人々=22日午後、東京・赤坂(辻本奈緒子撮影)

 冷たい雨が降る中、有志らは拡声器と横断幕を手に、本部の入る建物に向かってスピーチ。アジア民主化運動の小島孝之代表は、「私はユニクロ製品を愛用している一人だが、強制労働させられたウイグルの人の涙と血が混じったものを着たくない。消費者が安心して着られる製品を作っていただきたい」と求めた。

 日本人香港民主活動家の平野雨龍さんは「新疆綿を使っていないのなら使っていない、使っているのなら使っていると表明して」とアピール。香港出身の何嘉軒さんは「ユニクロが新疆綿を使い続けることで、私たちは服を1枚買うだけで人権侵害の共犯者になるかもしれない」と訴えた。

 街頭宣伝の後、代表者2人が柳井正会長兼社長宛てに、労働環境の調査の強化や強制労働の有無に関する公式声明の発表を求める申し入れを行った。

 ユニクロの新疆綿の使用をめぐっては、米税関・国境警備局(CBP)が男性用シャツの輸入を差し止めたほか、仏法人が当局の捜査を受けているが、柳井氏は使用の有無に関して明言を避けている。日本企業ではアパレル大手の三陽商会やミズノ、グンゼなどが新疆綿の使用をやめ、素材の変更を検討している。