未解決の「平和の礎」詐欺、急がれる戦死者数の訂正
上原 正稔 (48)
昨年4月5日から始まった連載は今日で終わる。
その目的は、①生前、理由(いわれ)なき“軍命”で苦しまれた赤松嘉次さんと梅澤裕さんのご両名の汚名を雪(すす)ぐこと②「平和の礎」の敵も味方も、兵士も住民も大人も子供も沖縄戦で亡くなった全ての人々の名を刻む石碑、沖縄戦メモリアルを50周年の年に建立するということは筆者が大々的に発表したものであること③県が発表している沖縄出身の戦没者数が誤謬(ごびゅう)に誤謬を重ねたものであること④「平和の礎」に刻まれた沖縄出身戦没者数がデタラメであること⑤新版『沖縄県史』が沖縄戦史を歪(ゆが)めて、編集がデタラメであること⑥国は「平和の礎」に15億円の国税を投入しながらそれを忘れ、毎年慰霊の日に首相ら政府高官が「平和の礎」に参列するという愚行を犯していること⑦沖縄タイムスと琉球新報は、自分に都合の悪い報道は一切否定し、真実を告げる作家を無視、いや殺し続けていること⑧それに追従している沖縄の政治や特にオール沖縄の醜い面々、そして知識人、あるいは文化人と称する大学教員や公務員の醜い実態を暴露すること―であった。
筆者はこの1週間、県議会に陳情書を送り、猛省を促した。内閣官房長官には連載のコピーを送り、沖縄のエセ政治家や新聞の報道の顔色をうかがう愚行は止(や)めよ、と諫言(かんげん)した。こうした筆者の動きにどう反応が来るのか不明だが、やらなければならいことをきちんとやっている。
26日付の新報は筆者の予言通り、「『集団自決』(強制集団死)」と並列表記している。本当に呆(あき)れるばかりだ。
さらに「平和の礎」の戦没者については、沖縄出身者は14万9562人となっていて、1945年1月16日、沖縄県が2紙に大々的に発表した14万7110人からわずかに増大している。「平和の礎」の沖縄出身犠牲者の数がデタラメであることは、既に指摘したが、31年9月の満州事変からフィリピン、南洋諸島、栄養失調、マラリア病死など場所や死因に際限がなく、つまり、デタラメに刻銘されているのだ。
そして、時期的にも15年戦争プラス1年に当たる46年9月までの死者となっているが、これも際限ない。実際、新聞広告が掲載された後、10人ほどの“戦死者”が「生きているぞ」と異議申し立てをしたのだ。
筆者は84年、アメリカ議会図書館で、日本全国で行われた臨時国勢調査の記録を発見したが、そこには44年2月22日の沖縄全島の各市町村の男女別人口が記録されている。これと「平和の礎」の戦没者を比較すれば、直ちに「平和の礎」の刻銘がデタラメであることが判明するのだ。
筆者の物語はこれで終わるが、問題は始まったばかりだ。「平和の礎」の詐欺行為をどうするのか。最後に、筆者は誰のためにこの連載を書いたのか。それは筆者がこの世で最も愛する子供たちへ。本当にありがとう。
(おわり)





