沖縄で広がるノムさんの死を悼む声
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
虚血性心不全のため、11日に急逝した野村克也さん(享年84)を悼む声が沖縄でも広がっている。野村さんが野球界に与えた影響力の大きさは、2月の沖縄キャンプ期間中、随所で見られた。
ヤクルト・スワローズがキャンプを行っている浦添市のANAボールパークは12日から半旗が掲げられ、野村さんの死を悼んだ。
15日と16日には球場の隣に献花台が設置された。15日にはヤクルトの選手が献花。16日はまるで野村さんとの別れを悲しむかのように小雨が降り続く中、ヤクルト現役時代に指導を受けたヤクルトの高津臣吾、日本ハムの栗山英樹両監督が献花台前で手を合わせた。
また、献花する人の中には、泣き出すファンの姿も目に付いた。毎年ヤクルトの沖縄キャンプに来ているという東京在住の50代の女性は、「ヤクルトが好きになったきっかけは野村監督だった。弱小と言われた球団を優勝させた指導力、特に選手を見抜く力はものすごい。野村さんを超える監督は当分出ないと思う」と涙をぬぐいながら話してくれた。
高津監督は12日、キャンプ地の浦添から一時帰京し、野村さんの自宅を弔問した。韓国・サムスンを相手に今キャンプ初の練習試合が組まれていたが、“恩師”の弔問を優先した形だ。
ヤクルトと楽天ゴールデンイーグルスの練習試合が15日、金武(きん)町で行われた際は、両軍の選手がベンチ前に出て黙祷(もくとう)。両軍の選手は喪章を付けてプレーした。
また、日本ハムファイターズがキャンプを行う名護市のタピスタスタジアムのグルメコーナーでは、「ありがとうノムさん」と銘打って、特別割引キャンペーンを行う屋台もあった。
(T)