小中高生対象、“本物体験”で会話・討論の訓練
9月6日、東京・青海に「英語村」を開業
児童・生徒を対象に、10年後、20年後、ますますグローバル化が進む社会に対応できるグローバル人材に育ってほしいという願いを込めて設立された「TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」(東京都江東区青海・「東京都英語村」)では、9月6日のオープンに向け着々と準備が進められている。児童・生徒の案内役となる「エージェント」や「スペシャリスト」と呼ばれる各プログラムの指導者らは英語を母語とする外国人「イングリッシュスピーカー」で、話せる楽しさ、伝える喜びを体験できる。開業初年度には、すでに約400校5万人の予約が殺到している。(太田和宏)
案内役は外国人、話せる楽しさと伝える喜び
ゆりかもめ「テレコムセンター」駅を降りてすぐ、TIME24ビルのTGGエントランスは、国際線ターミナルのようで海外への出発を想起させる。訪れた児童・生徒は8人のグループに分かれ、館内では1人の「エージェント」と行動を共にする。
海外の街並みを再現したような2階の「アトラクション・エリア」には三つのゾーンが設定される。例えば「トラベルゾーン」では、「ファストフード」で食事の注文、「トラベルエージェンシー」で旅行プランを作成したり、「ホテルゾーン」では「ホテル」で宿泊手続きや「クリニック」でけがや病気の際のやりとりを行ったり、「エアポートゾーン」の「エアプレイン」では機内を模した室内で客室乗務員とのやりとりの再現など、リアルなコミュニケーションシーンをフレンドリーなスタッフと共に体験できる。3階にあるもう一つのアトラクション・エリア「キャンパスゾーン」では、海外留学中のコミュニケーションをイメージしたシーンが用意される。
また、3階の「アクティブイマージョン・エリア」では、さまざまなテーマを英語で学ぶことを目的とし、各プログラムはテーマに対する専門性を持った「スペシャリスト」と呼ばれるイングリッシュスピーカーが指導する。用意されるテーマは、工作で橋を作って強度を競ったり、茶道体験を通じて英語で日本文化を発信したり、マーケティングの基礎知識を学んだり、経済情報を基に投資先を考えたりなど、幅広く設定されている。
特にアトラクション・エリアでは、それぞれに「ミッション」と呼ばれる課題が与えられ、クリアするとスタンプがもらえるようになっている。またアクティブイマージョン・エリアでは、「話す」「聞く」という機械的活動だけでなく、ディスカッション、ディベート、プレゼンテーションという活動を通じて課題を解決する機会も設けられている。もちろん、それぞれ児童・生徒の英語レベルに対応するようレベル設定がなされている。
このように、TGGでは海外生活を題材にしたサバイバルイングリッシュの使用、海外で自分の要求や状態を伝えるトレーニング、与えられたミッションを意欲的に解決する、などのほか、ボランティア活動等にも役立つ実践訓練を行う。広報担当の渡邉由美子氏は「当施設は単に実践の機会を提供するだけにとどまらず、自分の英語が通じたという成功体験を得られることが最大の特長」という。
都内在学の小学5年生から高校生までの児童・生徒を優先対象とし、小学校5年生以下の児童や未就学児に向けたプログラムも開発中。施設の利用は、平日は主に学校単位での予約を想定しており、料金は1日コース(約7時間・都内4800円・都外6800円)や半日コース(約3・5時間、都内2400円・都外3500円)。














