格好いい自衛隊は困る?
陸上自衛隊富士学校が毎年主催する国内最大の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(総火演)が8月23日、静岡県御殿場市の東富士演習場で一般公開された。
今年で57回目となる総火演には、はがきとインターネットでの応募総数が14万9083通(当選倍率29倍)もあり、一般公開が始まった昭和62年以降では過去最多となった。
総火演には隊員約2300人が参加。最新鋭の10式戦車をはじめ戦車・装甲車約80両、火砲約60門、航空機約20機などが日ごろの訓練の錬度を披露した。
また今年は初めて、演習終了直後、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が会場上空に飛来した。
これに対して、23日の総火演の本番に先駆けて18日に実施される予行演習に、横浜市立中山中学校(小嶋貴之校長・横浜市緑区)が、希望する生徒を対象に見学会を企画したところ、反対派の市民団体が、同中学校の最寄り駅で、中止を要求するチラシを配ったり、集会を開いたりした。6月下旬に見学会の実施が一部報道で伝えられると、反対派は横浜市教育委員会に中止を申し入れたほか、同中学校に直接、中止を求める電話、ファクスなどを繰り返しているという記事が、産経新聞(8月14日付)に掲載された。「1時間を超える(抗議)電話もあった」という。
反対派による学校に対する業務妨害そのものだ。
同中学校は平成21、26年度の見学実施の実績や、希望者のみで保護者の同意を得た参加であることなどを理由に、「社会科の学習のきっかけとして不適当ではない」と判断し、市教委も見学会の実施を支持している。
本来、見学会の参加者は希望者であり、反対する理由はどこにもない。反対派は「火力演習を見て(自衛隊を)格好いいと思うようになる」と困るとしているが、「格好いいと思うようになる」ことは普通の感覚であり、何が問題なのか理解できない。
反対派も一度、総火演を見学することをお勧めしたい。
(濱口和久)





