アンケート調査の手紙に「前払い金」ー米国から


地球だより

1ドル紙幣(Wikipediaより)

1ドル紙幣(Wikipediaより)

 自宅の郵便受けには、自動車保険の加入依頼など広告類がよく届く。これらの多くは、さっと目を通して、そのままゴミ箱に捨てることになる。先日届いた封筒も、一見こうした郵便物の一つと思われたが、封筒の透明な部分から、紙幣らしきものが見えた。
 開けて見ると、ピンとした新札の1㌦紙幣2枚が入っていた。「もしや偽物では?」とも考え、手元にあった1㌦札と見比べて確認してみたが、本物で間違いなさそうだ。

 米国で新札を見るのは新鮮な気がする。銀行ATMから出てくる現金は、切れ目があったり、ボールペンで数字が書き込まれていたりと、ボロボロのものが多いからだ。

 手紙は米視聴率調査会社ニールセンからのもので、テレビやラジオに関するアンケート調査の依頼だった。筆者の住所がランダムに抽出されたとのことで、2㌦は調査に応じるか「検討してくれた」ことに対するお礼で、アンケートを返信すれば、さらに5㌦を郵送するという。アンケート自体は簡単で、2~3分程度で終わるものだったので、さっと終わらせて1週間ほど前に投函した。

 無事に5㌦が送られて来るかどうかはまだ分からないが、先に2㌦の「前払い金」を提供するやり方は、調査の回答を促す手法として合理的なのだろうと思う。回答が得られず2㌦が無駄になるケースも少なくないと思うが、現金が入っていなければ、信用されず調査に応じないか、そもそもろくに読まずにゴミ箱に捨てられる可能性も高くなる。筆者もこの前払い金によって、うまく調査に乗せられた形だ。

(Y)

(サムネイル画像:Wikipediaより)