うれしいサプライズーイスラエルから
地球だより
コロナ禍で1年延期された東京オリンピックに、イスラエルもアスリートを送り出している。自分が住んでいるせいか、イスラエルを応援したくなる。開会式で青と白の国旗を掲げて入場するイスラエル選手団を家族で見守っていた。
翌朝、いきなりイスラエルの選手がテコンドー女子で銅メダルを獲得したというニュースが飛び込んできた。19歳の女性、アビシャグ・センバーグ選手がにこやかにメダルを手にしてテレビに映っていた。
正直イスラエルのオリンピック委員会は驚いたことだろう。イスラエルの選手団の中でメダルに期待がかかっているのは、柔道と新体操だ。
イスラエルでは趣味で武道を始める人が多い。柔道や空手の他にも、柔術、忍術、クラブマガ(イスラエル式護身術)、カポエイラ(ブラジル古武道)などの道場がある。テコンドーもその一つだが、柔道ほどポピュラーではない。そのため、テコンドーでメダルを取ったのは、イスラエルの人々にとってはうれしいサプライズだった。
小学1年でテコンドーを始め、6年生からナショナルチームの一員になり、昨年からの兵役で軍隊の兵士でもあるセンバーグ選手は「手ぶらで国に帰ることはしない」と固く決意していたそうだ。イスラエルの歴代最年少メダリストとして、次は金メダルを目指すと語る姿は、希望に満ちあふれて輝いていた。
どの国のアスリートもけがや事故もなく、力を発揮してくれることを祈っている。
(M)