上昇気流 rss

「去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの」…

 「去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの」(高浜虚子、昭和25年)。有名な句だが、年が改まる時の感触を見事にとらえている。年は変わった。だが、棒のような何物かが、旧年と新年をしっかり貫いている。  「棒」とは何だろう。…

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明けましておめでとうございます。本年も…

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。日本海側では吹雪く所がある一方、太平洋側ではなべて平穏な年の幕開けだ。  2011年3月11日に起きた東日本大震災から3回目の新年を迎えた。被災地の全般的…

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明け方の冷え込みは一段と厳しくなったが、…

 明け方の冷え込みは一段と厳しくなったが、大晦日(おおみそか)の東京の日中は日差しを得て穏やかな日和となりそうだ。近くの広場のイチョウや欅(けやき)の大木は、大胆な刈り込みで梢(こずえ)や枝元が取り払われたのと、強い季節…

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年末の帰省ラッシュが続いている。…

 年末の帰省ラッシュが続いている。だが、日本海側では冬型の気圧配置が強まったため大雪となる所が出ており、東北や北陸などへ向かう航空便の欠航や鉄道の遅れで帰省の足が乱れている。  こうした中、昨日山形新幹線と乗用車が衝突し…

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「門松を立て終りたる塵を掃く」(松田水石)…

 「門松を立て終りたる塵を掃く」(松田水石)。街で門松や松飾りを見かけるようになった。クリスマスの前には少し早すぎる感じがしたものだが、今では歳末の風景としっくり合っている。  この期間は、キリスト教のクリスマス、仏教の…

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「次の三つを(日本が)やれば、中国は座視しない。…

 「次の三つを(日本が)やれば、中国は座視しない。その三つとは、靖国参拝と尖閣諸島への公務員常駐など実効支配強化、それに憲法改正だ」。昨年12月、中国共産党機関紙・人民日報がこんなことを書いた。内政干渉を通り越した傲慢(…

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我々の住む宇宙はいつ始まっていつ終わるのか…

 我々の住む宇宙はいつ始まっていつ終わるのか。それとも、宇宙には始まりも終わりもないのか。だが、宇宙が137億年ほど前、ビッグバンによって始まったという説は、大方の支持を得ているようだ。  が、ビッグバン以前はどうだった…

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鵜飼いに用いられるウミウは渡り鳥だ。…

 鵜飼いに用いられるウミウは渡り鳥だ。春は繁殖のために北海道方面に、秋には越冬のために本州沿岸や九州方面に向かう。山口県・壁島のように越冬地が天然記念物に指定された所もある。  茨城県日立市十王町の伊師浜には、4月から6…

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日本列島各地の干拓事業の歴史は古く、…

 日本列島各地の干拓事業の歴史は古く、東京湾や三河湾などの干拓も江戸時代から行われた。明治以降も個々の産業の振興を軸にした枠組みの中で実施されてきた。  有明海内の諫早湾での干拓も古くから手掛けられてきたが、今問題になっ…

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最近のメディアから。「(ブラジルに住む人の…

 最近のメディアから。「(ブラジルに住む人の言うお金持ちのブラジル人が買う車は)ベンツでもBMWでもなかった。おんぼろトラックやミニバンなどを数多く持つのだ、という。安全のために毎日車を替え、違う時間に家を出て、決して同…

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来春卒業予定の高校生の就職内定率は、…

 来春卒業予定の高校生の就職内定率は、10月末までの調査で前年同期より3・2ポイント上昇し64・1%だったことが分かった。内定率が最も高かった学科は工業科で79・7%。以下、看護科74・9%、福祉科69・0%と続いている…

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「初雪や水仙の葉の撓むまで」(松尾芭蕉)。…

 「初雪や水仙の葉の撓むまで」(松尾芭蕉)。都心で20日午後、初雪が観測された。平年よりも2週間早いというが、雨に交じっていて雪という感じはあまりしなかった。  クリスマス前に都心で初雪は8年ぶりとなる。確かに、東京では…

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東日本大震災の発生した2011年3月11日の…

 東日本大震災の発生した2011年3月11日の午後2時46分頃、気流子は日比谷交差点で信号待ちをしていた。突然ぐらりと大きな横揺れが来て、目を上げると交差点の向こうの30階建てのビルの上部が揺れているのが見えた。とうとう…

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日展(日本美術展覧会)の「書」部門の篆刻…

 日展(日本美術展覧会)の「書」部門の篆刻(てんこく)にまつわる不正問題で今月、第三者委員会による調査結果が報告された。日本画、洋画、彫刻、工芸美術の4部門には問題がなかったとされた。  篆刻を含む書部門では、会派別の入…

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欧米でも日本でもストリート写真の黄金期と…

 欧米でも日本でもストリート写真の黄金期といわれる時代があった。20世紀半ばを中心とする時期で、「路上」には異質なものとの出会いがあり、未知なるものの発見があって、エネルギーに満ちていた。  スナップショット手法で撮影さ…

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先日、大阪随一の観光スポット、大阪城に…

 先日、大阪随一の観光スポット、大阪城に足を運んだ。ちょうど大阪城へのイルミネーション照射開始の日ということもあって、国内外から多くの観光客が詰め掛けていた。  大阪城最大の石は、桜門から本丸に入って正面にある「蛸石」で…

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「予防という名の人体実験」。今月2日から…

 「予防という名の人体実験」。今月2日から始まった小紙第1面の連載タイトルはインパクトが強いが、連載の内容はいくつかの地方自治体の議会論議や医学・医療関連のシンポジウムを丹念に足で取材して分かりやすく問題提起している。ア…

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世界無形文化遺産への登録が決定した「和食」…

 世界無形文化遺産への登録が決定した「和食」。魚料理が多く一汁三菜を基本とし、栄養のバランスの面でも優れている。  古代の日本人の食生活と今日の和食文化の間にどのような因果関係があるのか。月刊「教育再生」11月号は特集「…

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「街師走何を買つてもむだづかひ」…

 「街師走何を買つてもむだづかひ」(稲畑汀子)。師走になって冬の光があふれる風景を見ると、秋の透明な色とはまったく違った印象を受ける。枯葉が落ちた木々も、寒々として白い光を浴びている。  それは衰弱していく生命を思わせる…

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日本を代表する唯一のアルゼンチンタンゴ歌手…

 日本を代表する唯一のアルゼンチンタンゴ歌手、香坂優さんのライブコンサートを先日、都内で聴く機会があった。日本の歌とは異なったタンゴのストレートな愛情表現が印象的で、心躍らせたひとときだった。  ライブごとに新しい工夫を…

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もともと文芸批評家などは、作家に比べて…

 もともと文芸批評家などは、作家に比べて話題になることは少ない。ところが小林秀雄ばかりは、亡くなって30年たった今でも関心は高い。近刊『小林秀雄の哲学』(高橋昌一郎著、朝日新書)は、表題とは逆に、無頼派ともいうべき小林の…

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英国映画協会発行の「サイト・アンド・…

 英国映画協会発行の「サイト・アンド・サウンド」誌上で、世界の映画監督358人が選ぶ最も優れた映画に小津安二郎監督の「東京物語」が選ばれた、というニュースが昨年8月共同電で流れた。批評家ら846人による投票でも同作品は3…

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猪瀬直樹東京都知事は作家時代、テレビの…

 猪瀬直樹東京都知事は作家時代、テレビのワイドショーなどに出演し、コメンテーターとして発言していた。10年ほど前のことだった。  都下の衣料品店に「店の商品に手を触れないでください」という貼り紙がしてあったが、客が試着し…

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