「次の三つを(日本が)やれば、中国は座視しない。…


 「次の三つを(日本が)やれば、中国は座視しない。その三つとは、靖国参拝と尖閣諸島への公務員常駐など実効支配強化、それに憲法改正だ」。昨年12月、中国共産党機関紙・人民日報がこんなことを書いた。内政干渉を通り越した傲慢(ごうまん)な、一種の脅しである。

 今夏、小紙の愛読者でつくる世日クラブの講演会で、中西輝政京都大学名誉教授は、このことを取り上げ、「孫子(まごこ)の世代にしっかりした日本を引き渡し、まともな国として蘇(よみがえ)るには、これらは全部必要なことだ」と強調した。

 人民日報がそんな脅し文句を吐いたため、靖国神社に参拝しないことは中国に屈服することになり、日本は脅せば何でも言うことを聞く、という誤ったメッセージを送ることになる。

 安倍晋三首相が、そう考えて参拝したとは思えない。しかし結果的に、日本は理不尽な脅しなどには屈しないということを中国に示すことになった。韓国も当然激しく反発しているが、他のアジアの国々、特に東南アジア諸国の反応もよくみておきたい。

 中国は、安倍首相の靖国参拝を、過去の戦争の肯定や右傾化に短絡させ、それを喧伝し、日米離間に利用しようとするだろう。そこは、よく注意して、政府は米国に対し説明していく必要がある。

 あとは腹を据えて冷静に、人民日報が教えてくれたとも言える「まともな国」になるための課題へ向け着実な努力を積み重ねていくだけである。