安保語る資格ない共産

 陸上自衛隊の観閲式が10月14日、朝霞訓練場(陸自朝霞駐屯地)で3年ぶりに開催され、安倍晋三首相は自衛官を前にして次のような訓示を行った。

 「今や国民の9割が敬意をもって自衛隊を認めています。60年を超える歩みの中で、自衛隊の存在はかつては厳しい目で見られた時もありました。それでも歯を食いしばり、ただひたすらに、その職務を全うしてきた。(中略)次は政治がその役割をしっかり果たしていかなければならない。すべての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかりと果たしていく決意です」

 この訓示に噛(か)みついたのが日本共産党の志位和夫委員長だ。第5回中央委員会総会のあいさつの中で、「安倍首相は、陸上自衛隊の観閲式で、自衛隊を憲法に書き込む改憲への決意を表明しました。常軌を逸した異常な暴走が止まりません」と発言。そして、閉幕後の記者会見でも「自衛隊の政治利用だ」と批判した。

 私は、志位委員長が批判する「自衛隊の政治利用」という意味が理解できない。安倍首相の訓示は自衛隊の最高指揮官として、至極当たり前の発言であり、志位委員長の方が、自衛隊を政治利用しているように思えるのだが…。

 また、3年前の国会で、安保法案が審議されていた最中、都内で日本共産党系の団体が主催する安保法案廃案のデモが繰り返された。「ブルドーザーデモ」と称して、安倍首相の生首のマスクをブルドーザーで踏み潰(つぶ)す過激なデモも行われた。このようなデモは、天安門事件のときに、中国共産党が民主化を訴えた学生らを戦車で踏み殺した行為を彷彿(ほうふつ)とさせる。

 昭和25年1月から昭和30年7月までの約5年半、日本共産党はスターリンの軍事方針に基づき、在日アメリカ軍基地の襲撃や、交番に火炎瓶を投げ込んで警察官を殺害する事件などを引き起こしている。このような暴力活動を展開してきた日本共産党に、安倍首相の訓示の内容を批判する資格はないと、私は思う。

(濱口和久)