「祖国復帰」伝承し沖縄の未来守ろう
44周年記念大会 宜野湾で開催
沖縄県の本土復帰記念日を祝う「沖縄県祖国復帰44周年記念大会」が15日、宜野湾市で開催され、約250人が参加した。「世界に輝く日本と沖縄の未来」がテーマ。沖縄が本土復帰を果たしたことを誇り、日本国の一員としての自覚を持ちながら日本の発展に尽力することを誓った。(那覇支局・豊田 剛)
「沖縄県民は紛れもなく日本人」
宮﨑衆院議員 遺伝子と言語から指摘
主催者を代表して玉城(たまき)正範(せいはん)実行委員長(日本会議沖縄県本部長代行)は、「平和を願われる天皇陛下の大御心(おおみこころ)と沖縄県民の思いが一体となった『祖国復帰』は沖縄の誇り」と述べた。その上で、「祖国復帰の意義を多くの県民とともに深め、次世代を担う青少年に祖国復帰の歴史と情熱を伝えることが大切」と訴え、「これからも日本の一員として日本と沖縄の未来を自分たちの手で守っていかなければならない」と主張した。
来賓を代表して宮﨑政久衆院議員が登壇した。宮﨑氏は4月27日、国連が沖縄県民を先住民族として認め、先住民族としての権利を守るよう政府に勧告を出していることを問題視し、衆院内閣委員会で勧告の撤回を求めるよう政府に要求した。
宮﨑氏はあいさつの中で、遺伝子上も言語的にも「沖縄県民は紛れもなく日本人だ」と主張した。「遺伝子研究で、M7aというミトコンドリアDNAは本土の人も沖縄の人も等しく持っている日本人特有のものだ」と指摘。県民が一丸となって前を向いて進んでいくことの大切さを強調した。
宜野湾市の佐喜真淳市長は、「戦争で占領された地域を平和裏に取り戻したことは人間の有史以来初めての快挙」と評価した。
式典では祖国復帰を経験した世代と復帰後の青年を代表して2人が登壇した。
元教員の上原義雄氏は、1972年の通貨切り上げに反対して沖縄県教職員組合(沖教組)がストライキを強行したことについて、「教組が自分たちの利益のためにストをすることは私は絶対に容認できなかった」と振り返った。また、沖教組は、本部町で開催された海洋博(沖縄国際海洋博覧会)にも、稲嶺一郎参院議員(当時)が復帰記念事業として誘致したという理由で反対したと説明した。
沖縄青年会議所の比嘉大志理事長は、「歴史的には琉球王国の時代の誇りを持つべきだと思うが、若い世代は日本の中の沖縄に生まれて良かったと思っている」と日本復帰の喜びを素直に表現した。
大会では、NPO法人アジアチャイルドサポートの池間哲郎代表理事の講演「アジアに愛される日本の心」を挟んで、①祖国復帰の歴史と功労を顕彰する②沖縄経済の発展に向け努力し、政府に安全保障上、重要な島しょ県として配慮を求める③一日も早い米軍普天間飛行場(宜野湾市)の危険性除去のための対応を取るよう県に要望する④5月15日を「祖国復帰記念日」として県および政府主催の式典を開催する――ことを求めた決議文を全会一致で採択した。
大会の前には、宜野湾市内で復帰記念パレードが行われ、参加者は日の丸を振りながら市内を歩いた。一方、全国から集まった革新系労組は反基地の「平和行進」をした後、那覇市で集会を開催。普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設に反対することを確認した。
NPO法人アジアチャイルドサポート 池間哲郎代表理事の講演要旨
祖国愛することが国際協力の基本
子供の頃からずっと日の丸を振っていたが、1971年にやっと日本人に戻れたと思って泣いていたのを思い出す。
このままでは日本は危ないとはっきり言える。今では中学校、高校の荒れがひどく、規律が全くない。世界の主要20カ国の青少年への調査で、「教師を尊敬する」という回答はわずか21%で最下位だ。世界平均は85%だった。また、「父母を尊敬する」はわずか25%で、世界平均の95%に遠く及ばない。
日本国民はもともと高い道徳心があった。こうなってしまったのはすべて大人たちの責任。中でも、GHQ(連合国軍総司令部)のWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)は日本の自信と誇りを奪った。
祖国を愛することが国際協力の基本。祖国を愛せない人は他国を愛せない。日本の偉大さを他国の人々から教えてもらった。そこで、真の日本の歴史を学ぶための「日本塾」を開いた。「目的は祖国を愛し日本人の誇りを持つ」という当たり前のことだ。
アジア各国に足を運ぶ中で、日本はアジアから嫌われているどころか尊敬され、愛されていることが分かった。自分の国が悪い国だと教える国は世界中で日本だけ。近現代史を学校で教えないのも問題だ。
もう理想論ばかりを追うのをやめ、現実を真剣に見詰めるべきだ。これまで1000以上の学校で講演をした経験から分かる。子供たちは自信を失っている。このままでは日本は駄目になる。












